コラム
» 2018年04月25日 07時00分 公開

経理がAIに乗っ取られる、は本当か?これからの経理のあり方(2/4 ページ)

[前田康二郎,ITmedia]

人間の都合が横行する

 また、経理の無人化が難しいもう1つの理由は、AIなどのテクノロジーの問題ではありません。「人間の揺らぎの大きさが、経理の無人化を阻害している」という点です。

 例えば、どの会社も支払請求書に関しては支払期日のルールを「月末締めの翌月末日支払い」といったように決めているでしょう。全ての支払請求書について一切例外を認めずそのように管理すれば、支払請求書をデータとして読み込んだ瞬間に、支払期日は自動的に固定させることは可能ですから無人化できます。

 しかし現実は、業務上の理由で支払日を明日に急遽変更しなければならないといった、例外処理は日々起こり得ます。会社における「緊急事項」というのは、多くが「お金」に絡みます。従って、それはダイレクトに経理に波及します。支払請求書の処理に限らず、経理業務を無人化できるようなガチガチの環境をセッティングしても、人間の都合でそれが簡単に崩されますので、やはり現実的には無人化は難しく、どうしてもそれらの例外処理に対応する「人間」が必要になってきます。こうしたことから、経理に関しては、スリム化はできても無人化までは難しいのです。

 実際のところ、経理業務というのは、今日現在でも作業レベルのものはかなり自動化しています。「Windows 95」の登場以降、それまで手書きや手計算で行っていた経理の仕事はほぼExcelなどで代替できているので、大幅にスリム化しているのです。ではなぜExcelなどでは経理が無人化できなかったのかというと、Excelに問題があるわけではなく、こうした「人間の都合による揺らぎ」の部分が大きなウェイトを占めているからなのです。そして、これは今後AIなどの技術が発達した環境においても同じことが言えるでしょう。

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