カシオ計算機は5月9日、コンパクトデジタルカメラ事業からの撤退を正式発表した。民生用としては世界で初めて背面液晶ディスプレイを備えた「QV-10」や薄型モデルなどユニークな製品を送り出してきたが、世界的な市場縮小の波にあらがえなかった。
秒間最大60枚の高速連写を売りにしたEXILIM EX-100F
17年度の同社デジカメ全体の売上高は前期比34%減の123億円に対し、49億円の営業赤字を計上。新製品を投入したものの、市場縮小で挽回できず、在庫の評価損を計上した結果、2期連続の赤字を余儀なくされた。
決算説明会資料より
今後、デジタルカメラ事業では、独自技術とノウハウを活用した新しい事業領域の創造を目指すという。
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