米Xeroxが富士フイルムとの統合合意撤回アイカーン氏らと和解

» 2018年05月14日 11時25分 公開
[ロイター]

[ニューヨーク 13日 ロイター] - 米事務機器大手ゼロックスは13日、富士フイルムホールディングス<4901.T>との経営統合合意を撤回すると発表し、合意内容に反対していた主要株主でアクティビスト(物言う投資家)のカール・アイカーン、ダーウィン・ディーソン両氏と和解したことを明らかにした。

photo 5月13日、米事務機器大手ゼロックスは富士フイルムホールディングスとの経営統合合意を撤回すると発表し、合意内容に反対していた主要株主のアイカーン、ディーソン両氏と和解したことを明らかにした。1月撮影(2018年 ロイター/Thomas White)

ゼロックスはまた、ジェフ・ジェイコブソン最高経営責任者(CEO)が退任し、新CEOにジョン・ビセンティン氏が就任する見通しだと発表。取締役5人の交代も明らかにした。

ゼロックスと富士フイルムは今年1月に経営統合で合意。しかし、ゼロックス大株主のアイカーン氏とディーソン氏が富士フイルムの提案はゼロックスの企業価値を過小評価しているとして代替案を提示し、委任状争奪戦(プロキシーファイト)に発展していた。

アイカーン氏は文書で「ゼロックスが最終的に富士フイルムとの合意を撤回したことは非常に喜ばしい」とし、ビセンティン氏が新CEOに就くことも歓迎すると表明した。

和解を受け、今年の年次株主総会を巡るプロキシーファイトは終了。6月13日に予定されていた総会は延期される。

ゼロックスは今後、入札により売却される可能性が高いとみられている。

ゼロックスは発表文で、新取締役が直ちに会合を開き、「株主価値を最大化する全ての戦略的代替案の検討に着手する」と明らかにした。

富士フイルムとの合意撤回の理由については、富士フイルムが4月15日の期限までに富士ゼロックスの監査済み財務情報を提供しなかったことが一因だとした。富士ゼロックスの財務情報に関しては、過去に提供された未監査財務情報と監査後の内容に「著しいずれ」が見られたとも指摘した。

富士フイルム側のコメントは得られていない。

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