富士フイルムは5月15日、インスタントカメラ「instax(通称:チェキ)」シリーズの新製品「instax SQUARE SQ6」を25日に発売すると発表した。縦横比が1対1の「スクエアフォーマット」のフィルム専用のアナログモデル。Instagramの流行を機に若年層で高まる正方形の写真へのニーズに応えた。実売予想価格は1万7000円(税込)。
昨年5月に発売した、デジタル画像処理技術を搭載した「instax SQUARE SQ10」でも写真を正方形に切り出すことはできたが、アナログモデルが正方形フィルムに対応するのは初めて。「SQ10」(実売価格:税込3万1800円)から価格を抑えたミドルレンジモデルで、若者の旅行、イベント、パーティー、風景撮影などの用途を想定する。
「オートモード」ではシャッターボタンを押すとカメラが周囲の明るさを自動で検知し、シャッタースピードとフラッシュの強さを最適な度合いに調整する。暗い室内でも被写体や背景を明るくはっきりと撮影できる点が特徴だ。自撮り用に最適なピントと明るさに調整する「セルフィーモード」も備える。
シャッターを2回押すと、1枚のフィルムに2つの画像を重ねられる「二重露光モード」、最短30センチまでの近距離撮影が可能な「マクロモード」、風景スナップに適した「遠景モード」――といったおなじみの機能も搭載する。
カラーは「パールホワイト」「ブラッシュゴールド」「グラファイトグレイ」の3種類。サイズは、118.7(幅)×58.1(奥行き)×128.1(高さ)ミリ。フィルムパック、バッテリーを除いた重量は393グラム。
オレンジ、パープル、グリーンの「フラッシュカラーフィルター」も付属する。フラッシュ部分に取り付けることで、色を付けた写真が撮影できる。
新モデルで使用できる、余白部分が黒の正方形カラーフィルム「instax SQUARE Film BLACK」も25日に発売する。実売予想価格は1400円(税込)。正方形のモノクロフィルムも順次展開する予定。
富士フイルム イメージング事業部長の岩崎哲也(崎はたちさき)氏は、「近年は『チェキ』独特の質感が1つのジャンルとして確立されてきた。今回対応したスクエアフォーマットは、自撮りなどの自己表現に最適な形状だ」と強調する。
「今後もチェキの商品開発に注力する。写真の在り方を大胆に変えられるような商品を継続的に出していきたい」(岩崎部長)という。
助野社長によると、チェキの世界累計販売台数は3000万台を突破。17年度の販売実績は770万台で、予想の750万台を上回ったという。
さらに世界市場での販売台数を伸ばすため、富士フイルムは米歌手テイラー・スウィフトさんとグローバルパートナーシップ契約を締結。テイラーさんのワールドツアーをスポンサードし、ライブ会場にチェキの体験ブースを設けるなどのプロモーションを今夏から実施する。テイラーさんを起用したテレビCMも積極的に展開する予定だ。
日本市場向けには、女優の広瀬すずさんを起用したテレビCMを5月26日から放送する。
助野社長は「18年度の全世界での販売目標は900万台。各種プロモーション活動を通じて、チェキの魅力を世界各国に広めたい」と期待を込めた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング