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» 2018年05月17日 07時30分 公開

なぜパタゴニアはトランプ大統領に「宣戦布告」したのか世界を読み解くニュース・サロン(3/4 ページ)

[山田敏弘,ITmedia]

活動的な企業が珍しくない米国

 今回の国定記念地域の問題では、他のアウトドア系企業も活動に動いている。例えば、日本でも人気のザ・ノース・フェイスや、オスプレー、ブラックダイヤモンドなどもベアーズ・イヤーズ地域の保護を支持する教育施設を立ち上げている。

 パタゴニアのような政治的に「活動的」な企業は米国では珍しくない。そうした自分たちのアイデンティティーを積極的にPRすることで、消費者や「信者的」な支持者をつなぎとめる手段にもなっている。もちろんこうした企業の活動が、消費者の購買活動に直接作用するのも事実で、日本でも環境問題に意識のある人なら、環境問題に一切関わらない企業の製品よりは、パタゴニアのような企業のアイテムを購入しようと思うこともあるだろう。

 また消費者側のプレッシャーから、政治的な議論で立場を表明しなければならなくなるケースも米国ではある。例えば、米国で関連事件が多発している銃規制について、企業が銃規制の賛否の立場の公表を迫られることも。大手小売りのウォルマートや、ホテルチェーンのベストウェスタン、航空会社のデルタ、レンタカー会社のハーツなどは、度重なる銃撃による殺傷事件によって消費者からの批判が押し寄せ、全米ライフル協会(NRA)との関係を切る発表をしている。

 こうした消費者側から活動する人たちは「消費者アクティビスト」と呼ばれる(活動自体は「消費者アクティビズム」という)。これは、トランプ大統領が就任したばかりの頃にも話題になった。トランプの人種差別的な発言や、女性軽視の言動を背景に、トランプの家族のビジネスをボイコットしようとする動きが起きたのである。

 例えば、トランプの娘のイヴァンカ・トランプ大統領秘書官の手掛けるブランドを取り扱っていた大手デパートには批判が殺到し、デパートなどが取り扱いをやめると発表する事態になった。トランプ関連製品の取り扱いをやめたことで、逆にトランプ支持者からボイコットを受けるというケースもあった。

photo ベアーズ・イヤーズ地域の問題では、米国の他のアウトドア系企業も活動に動いている(写真は記事と関係ありません)

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