通勤電車でも自宅でも、気が付けばスマートフォンに手が伸びる。その時間を他のことに使えば、あれもこれもできたのに……。日々、そう感じている人は多いのではないだろうか。記者もその1人だ。
そんな悩みを“気持ち”で解決するためのアイテムをベンチャー企業が開発した。スマホ内蔵の機能やアプリを利用するわけではない。そのアイテムは「付せん」だ。シンプルな文具にどのようなアイデアが詰まっているのか。開発したARUPaPaの河端伸裕社長に聞いた。
開発したのは、スマホ画面に貼ることができる付せん「スマホシマ箋」。一時的にスマホを付せんで“封印”し、そこに書かれたメッセージを見てスマホを我慢する、というアイテムだ。家族からのメッセージや自分を戒める言葉を書き込めるようになっている。それを見ることでスマホを見たいという衝動を抑えるという、シンプルなアイデアを形にした。
2月にクラウドファンディングサイト「Makuake」でプロジェクトを実施。10万円の目標金額を達成した。このほど、同サイトの通販機能「Makuakeストア」で販売を始めた。
開発のきっかけになったのは、あるとき公園で見かけた光景だ。小さな子どもをブランコに乗せている父親。その父親は、スマホの画面を見ながらブランコを押していた。
「私も大学と高校に通う子どもがいますが、子どもと濃密な時間を過ごせる時期はあっという間に過ぎてしまいます。このかけがえのない時間をもっと大切に過ごしてほしいなという思いで、何かできないかと考えました」(河端社長)
そこで考え付いたのが、付せんだ。「ついつい画面を見たくなる衝動は、画面を物理的に見えなくすることで解決できるのではないか」と考えた。さらに、手書きのメッセージによって気持ちに訴えることで、我慢する効果の向上を狙った。
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