文具の定番「クリップ」が“楽に開ける” 100年ぶり進化の理由「業界のスタンダード」目指す(1/2 ページ)

» 2018年02月16日 06時30分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

 黒い本体と銀のレバーでおなじみの文房具の定番、「クリップ」が100年ぶりに進化を遂げる――そんなニュースが話題を呼んでいる。言わずもがなだが、クリップはレバーに力を加えて本体を開き、書類などを挟む使用法が一般的だ。

 ただ、ホールド力の強さ故に、力の弱い人が開こうとすると“パチン”と弾け飛ぶケースもあった。だがユーザーは「そういうものだ」と割り切り、構造に疑問を持つことなく使い続けてきた。

photo プラスのクリップ「エアかる」

約半分の力で開けるクリップ「エアかる」とは

 誰もが当然と考えていた構造を見直し、従来品の約半分の力で開けるクリップ「エアかる」を開発したことで、注目の的となっているのが文房具メーカーのプラスだ。

 「エアかる」は「てこの原理」を応用し、本体部分に突起を作ることで支点をずらしたほか、レバーの長さを伸ばすことで、ホールド力を保ちつつ軽い力での操作を可能にした製品だ。

 大・中・小の3サイズをそろえ、価格はそれぞれ10個入りで450円、350円、300円(全て税別)。

photo 各サイズの「エアかる」

 発売は3月1日とまだ先だが、ネット上では「実物を試したい」「なぜ今まで気が付かなかったのか」――と好意的な声が挙がっている。

 プラスはなぜ、誕生から1世紀以上がたった今、クリップに目を付けたのだろうか。

現在の商品は本当にベストなのか?

 コーポレートコミュニケーション部 広報・宣伝室の藤原純子氏は「ここ数年、クリップ需要が高まりを見せている。当社はこのチャンスを機に、需要増の要因を掘り下げて考えつつ、現在の商品が本当にベストなのかを問い直したいと考えた」と話す。

 「社内で議論した結果、需要増の要因はオフィス環境の変化だという結論に至った。以前はあらゆる書類を出力し、ファイルにとじたまま長期にわたって保管。必要に応じて取り出して業務に当たっていた」(藤原氏、以下同)

 「だが、現在はビジネスのペーパーレス化が進み、書類を電子化してデータベース上に保存するケースが一般的となった。そこで現場では、利用する書類を一時的に出力してクリップでまとめ、使用後すぐに破棄するようになった。出力と破棄のペースが早いため、クリップの使用頻度が増えているというわけだ」

 「そこで当社も時代の変化に合わせて、クリップの『書類のまとめやすさ・捨てやすさ』、すなわち『開閉しやすさ』をさらに高め、より使い勝手の良い製品にシフトすべきだと判断した」という。

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