「シャンプー難民」を救えるか? “7つの質問”で完成するパーソナライズシャンプー注目のビューティーテック

» 2018年05月22日 16時49分 公開
[青柳美帆子ITmedia]

 ビューティーテックのベンチャーSparty(東京都渋谷区)は、ヘアケア用品の定期通販サービス「MEDULLA(メデュラ)」を5月22日に始めた。ヘアケアの商品選びに悩む「シャンプー難民」に向けて、髪質や好みに合わせてパーソナライズされたシャンプーとトリートメントを2カ月に1回送るサービスだ。

パーソナライズヘアケアサービス「MEDULLA」

 価格はシャンプーとトリートメントの2本セットで6800円(2カ月分、消費税発送費別)。スマートフォンやPCで「髪の太さ」「なりたい自分のイメージ」など7つの質問に答えると、100種類以上の処方から自分に合ったシャンプーとトリートメントが2カ月ごとに送られてくる。定期購入の決定後も、「マイページ」機能からカスタムが可能だ。6月には美容室4店舗と提携し、実店舗で使い心地を試すこともできるようになる。

スマートフォンやWebから「7つの質問」に答える
処方は100以上。「FLOWER」「OCEAN」など5つのテーマ(香り、ボトルのカラー)を選べる
2カ月に1回シャンプーとトリートメントのセットが届く

 ターゲットは20代後半〜30代の働く女性。髪に関する悩みが増えてくる40〜50代も購入層として見込む。初年度は7万個の販売を目指すという。

「日本初」として市場を狙う

 サービスが生まれたきっかけは、Spartyの深山陽介社長の実体験。「昨年結婚して、バスルームがシャンプーのボトルだらけになって驚きました。妻はヘアケア用品に悩んでいて、買っては合わない……と繰り返していたんです。こうした悩みを抱いている人は多いのではないかと調べてみると、SNSでは毎日違う人がシャンプーに関する悩みを投稿している。これは根強い問題なのではないかと思いました」(深山社長)。

Spartyの深山陽介社長

 こだわったのはユーザー体験だ。深山社長は「今の消費者は、自分に合った情報を1タップで手に入れるという行動に慣れています。クチコミサイトを検索してわざわざ調べるのも面倒に思える人が多い。Web上で簡単にボタンをタップするだけで、処方が終わるというUI(ユーザーインターフェース)には力を入れました」と話す。

 ビューティーテックとパーソナライズは、アパレル業界や美容業界で注目されている分野。米国ではさまざまなサービスが生まれており、日本国内でもスタートトゥデイが、利用者の好みに応じてスタッフが“似合う服”を選んで届けるサービス「おまかせ定期便」や、体型のデータを測定できる「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」の提供を始め話題になった。また、大手化粧品メーカーの資生堂も個人の肌環境に合わせたスキンケアシステム「Optune(オプチューン)」を展開している。

 「あらゆる分野でパーソナライズサービスは立ち上がりつつありますが、ヘアケア分野ではまだ大手がサービスを展開していません。髪の悩みは人によって違っていて、1つの商品をさまざまな消費者に買ってもらうのにはもう限界があります。日本初のパーソナライズヘアケアサービスとして、市場を取りにいきたいです」(深山社長)

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