タクシー会社の三和交通(横浜市)は6月11日、ドライバーが忍者やSP(要人警護担当の警察官)にふんして運転するサービス「忍者でタクシー」「SP風TAXI」を始めた。日本文化に興味がある訪日外国人が主なターゲットで、ドライバーは記念撮影などに応じる。「SNSなどでネタにしてほしい」という。
「忍者でタクシー」のドライバーは、「〜でござる」「拙者は〜」などの“忍者用語”を用いて接客する。おりがみ製の手裏剣も携帯する。同社は「空港などへの送迎サービスにも対応する。忍者が空港で待っていると、訪日客の方に喜んでもらえると考えている」(広報担当者)と期待を語る。
「SP風TAXI」のドライバーは、ダークスーツにサングラスの“SP風ファッション”に身を包んで接客するが、「お客さまの警護はできません。強そうに見えますが、弱いです」(広報担当者)とのこと。会話中はポーカーフェースで、武器として水鉄砲を携帯するなどの“役作り”も行う。
車内で水や折り畳み傘、マスクの販売なども行う。実施エリアは東京23区、東京都多摩市、埼玉県、横浜市の一部地域。通常のタクシー運賃+1000円で利用できる。
同社は2月にも、ドライバーが歌舞伎役者の後見役「黒子」の衣装を着用して運転するサービス「黒子のタクシー」を開始。Twitterなどで話題となり、中国のメディアでも取り上げられた。
だが「話題にはなったが、利用者数は伸び悩んだ」(同社)。“面白タクシー”をさらに拡充し、「認知度を上げ、より多くの顧客を獲得したい」という。
ユニークな取り組みを行うことで注目度を高め、若い人に三和交通を知ってもらう狙いもある。「タクシー業界はスタッフの年齢層が高いイメージが定着しており、新卒採用を行ってもなかなか応募者数が伸びない。こうした状況を変えたい」と意気込む。
今後も月に1回程度新たなサービスを発表し、さらなる知名度向上と顧客獲得を図っていくという。三和交通は「当社の取り組みをきっかけに、業界全体を盛り上げたい」と話している。
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