3派の対立は今後どう展開するか。正直なところ判断は難しい。おそらく六代目山口組の高山若頭が来秋出所しても、効果的に他の2派を征圧、あるいは再統合できないのではないか。山口組の分裂は高山若頭が服役してから始まったことであり、服役中に山口組とともに、背景となる時代も動いている。辣腕で鳴った高山若頭だが、おそらく彼にしても変化には対応できまい。山口組3派は等しく沈下していくにしろ、新時代の暴力団を模索していることは間違いないからだ。
溝口敦(みぞぐち あつし)
ノンフィクション作家、ジャーナリスト。1942年東京都生まれ。暴力団や新宗教に焦点をあてて執筆活動を続け、『食肉の帝王』で第25回講談社ノンフィクション賞等を受賞。近著に『山口組三国志 織田絆誠という男』(講談社)など。
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