SUBARU、新型「フォレスター」投入 主力モデルで国内立て直しへ事前受注は4000台超(1/3 ページ)

» 2018年06月20日 17時06分 公開
[加納由希絵ITmedia]

 SUBARU(スバル)は6月20日、グローバルで展開するスポーツタイプ多目的車(SUV)、新型「フォレスター」の国内仕様を発表した。室内空間をより広くすることで快適性を高めたほか、専用カメラでドライバーの顔を認識する技術を初採用。水平対向エンジンと電動技術を組み合わせた独自のハイブリッドシステム「e-BOXER」も搭載した。ファミリーを中心に、日常でもアウトドアでも使いやすいSUVとして提案する。

 国内では完成検査の不正が次々と発覚し、調査を進めている状況だ。主力車種の投入を足掛かりに、信頼回復に向けた第一歩を踏み出したい考えだ。

photo SUBARUが発表した新型「フォレスター」

すでに4000台を受注

 次期社長の中村知美専務執行役員は、同日開いた発表会で「フォレスターはグローバルで最も売れているスバル車。第5世代となる新型モデルは、より愛されるように、お客さまの声を聞いて開発した」と語った。

 新型フォレスターは7月19日に発売する。先行予約台数は、5月18日からの1カ月間で4119台。月間販売目標の2500台をすでに上回っている。このうち、上級グレード「Advance」の予約が全体の約4割を占めた。Advanceの発売日は他のグレードより約2カ月遅い9月14日となる。

photo 新型「フォレスター」

 開発を担当した、商品企画本部の布目智之氏は「室内を最大限に広くしながらも、全体の大きさは最小限に抑えた」と説明。乗る人全員の快適性と取り回しの良さの両立を目指した。

 それを実現させたのは、細かい部分の調整だ。例えば、前席と後席に乗る人の腰の位置を、従来モデルよりも33ミリ離した。「小さな差のように見えるが、座ったときの快適性には大きな効果がある」(布目氏)という。助手席と運転席の間も20ミリ広げた。また、荷室の開口部の幅は従来よりも約120ミリ広い1300ミリ。ゴルフバッグがきれいに収まる幅になっている。

 特に、後部座席の快適性を大きく向上させたという。後部のドアは約90度まで開くようにして、開口部全体の大きさも広げた。それによって、楽な姿勢で乗り込めるようになり、チャイルドシートも載せやすくなっている。SUVの後部座席は、潜るように乗り込まなくてはならないことが多かったが、新型車では日常で使いやすいように改良した。また、後席専用の空調設備やUSBポートも搭載している。

photophoto 荷室にはゴルフバッグが横向きで収まる(左)。後席用の空調設備やUSBポート、3つに仕切ったポケットも装備(右)
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