自販機のボタン一つで宅配弁当 サントリーとぐるなび、協業のメリットは?飲食店の出来立ての味をオフィスで(1/2 ページ)

» 2018年07月06日 12時30分 公開
[加納由希絵ITmedia]

 働き方改革の掛け声によって、限られた時間で効率的に働くことが求められるようになり、まともに休憩を取れていない人も多いのではないだろうか。そんな課題に対応するサービスが登場した。職場に設置されているサントリーの自販機から近隣の飲食店の宅配弁当を注文できる法人向けサービス「宅弁」だ。7月から、東京都内の一部で始まった。

 手掛けるのは、飲料自販機事業などを手掛けるサントリービバレッジソリューションと、ぐるなび。それぞれの強みである自販機ネットワークと飲食店ネットワークを活用する。早期に専用自販機1000台の設置を目指す。

 これまでにないサービスだが、導入企業と利用者、そして両社にはどのようなメリットがあるのだろうか。

photo サントリーの自販機から近隣の飲食店の宅配弁当を注文できる

職場内で出来立て弁当を楽しむ

 宅弁のサービスは手軽さが特長だ。午前8〜10時に、職場内に設置されているサントリーの自販機で、飲料の購入と同じように料金を入れて弁当の注文ボタンを押す。そして、釣り銭口から出てくる「購買証明コイン」を受け取るだけだ。

 注文データは自販機から送信され、正午までには近隣の飲食店から出来立ての弁当が届く。購買証明コインを現金と一緒に自販機に入れれば、飲料を10円引きで購入できる。弁当を届ける飲食店は日替わり。自販機1台につき、1日20個まで注文できる。

photo 自販機には宅弁専用のボタンがある。日替わり弁当のメニューも掲示

 利用者にとって最大のメリットは、飲食店の出来立て弁当を職場内で手軽に楽しめることだ。会社の外で飲食店やコンビニを利用しようとしても、いつも混んでいる。十分に時間を取れないから昼食を抜いてしまう……という人も少なくないだろう。

 企業によっては、他の宅配弁当サービスなどを導入しているところもあるが、注文を取りまとめたり、集金したりする作業が発生することも多く、総務担当者などの負担が増える。宅弁のサービスは、サントリーの専用自販機を職場内に設置すれば利用できるため、コストや手間があまりかからない。サービス開始当初は東京都中央区、港区、千代田区、品川区が主なサービス対象エリアとなる。

photophoto 飲食店が提供する宅配弁当の例
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