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» 2018年07月23日 13時24分 公開

日本生命、石炭火力事業への新規投融資を停止 気候変動で金融機関に広がる動き(2/2 ページ)

[ロイター]
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同様の動きは他の金融機関でも広がっている。第一生命保険も今年3月、海外の石炭火力発電向けの新規プロジェクトファイナンスを実施しないことを決定。「海外では先進国を中心に石炭についての意識が高まっている。ESG投資に前向きに取り組んでいるなかでの判断」と同社は説明している。

三井住友信託銀行も「今後、新たに建設が検討される石炭火力発電プロジェクトファイナンスには原則、取り組まない方針」という。

石炭火力発電の投融資を抑制する動きは欧州を中心に広がりつつあり、こうした海外勢の動きに対して、日本の金融機関は消極的との批判もあった。

ただ日本の場合、政府は石炭を基幹電源の燃料とし、コストや安定供給の観点から優れているとしており、国内金融機関は社会インフラ資金の担い手として、簡単に石炭火力への投融資から撤退できない事情もある。

さらに高効率で二酸化炭素の排出が少ないとされる「超々臨界圧」と呼ばれる技術を使った石炭火力プロジェクトに関し、政府が新興国などへの輸出を後押ししている。

このためメガバンクなどは、石炭火力案件について一概に否定するのではなく、環境への影響も含めた審査の厳格化で対応する方針だ。

電力不足が深刻な新興国などでは「効率の極めて高い石炭火力発電へのニーズが、大きいのも実態。金融機関としてはこうしたニーズに応えるのが使命」(三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>の平野信行社長)との声もある。

世界的にESGを意識した経営が強く求められる中、国の政策という現実を踏まえどのような対応ができるのか。石炭火力を巡る問題は金融機関が直面する課題の象徴となりつつある。

(浦中大我 編集:田巻一彦)

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