飛行機の「座席数」と「路線数」――。この2つの問題が解決されたので、日本人は香港に足を運ぶようになったのだろうか。オンライン旅行会社(OTA)の関係者はちょっと違う見方をしている。オンライン予約サイト「Booking.com(ブッキング・ドットコム)香港支店」でエリアマネージャーを務めるカルバート・ロー氏によると、ホテルの宿泊費も影響しているという。
「香港のホテル宿泊費が高騰していて、韓国や台湾からの渡航者が減少している。彼ら・彼女らは安い宿泊施設を好む傾向があるからだ」(ロー氏)。では、日本人はどのようなホテルを選んでいるのだろうか。ロー氏によると、「香港に来ている日本人の多くは、ハイエンドのホテルを好む傾向がある。内訳を見ると、75%はファミリー、25%はビジネスパーソン。いずれもハイエンドのホテルに泊まる傾向があるので、日本からの渡航者が増えているのだろう」とみる。
旅行で、ビジネスで、香港に足を運ぶ日本人が増えているようだが、現地でどんなことをしているのだろうか。香港といえば「夜景」。ビクトリアピーク(山頂)から100万ドルの夜景を楽しむことができる。もうひとつは「飲茶(ヤムチャ)」。本場で、中国茶を飲みながら点心を食べる人も多いはず。……と思っていたら、こうした考えはちょっと古いようである。香港政府観光局の堀氏によると、日本人の楽しみ方は少しずつ変化しているようようだ。
「いまでもビクトリアピークから夜景を見る人は多いし、飲茶を楽しむ人も多い。ただ夜景でいえば、船上から見たり、高層ビルから見下ろしたり、といった人も増えている。食に関しても飲茶以外にもさまざまな料理があるので、『香港に来たらこれ!』といった感じのことが言えなくなった」(堀氏)
現地での楽しみ方が多様化しているなかで、街中をブラブラと歩く人も増えているようだ。例えば、道路の上に乱立する看板や壁に描かれている絵など、いわゆる“インスタ映え”するスポットを探して練り歩く人も少なくない。また、ちょっと想像できないかもしれないが、ハイキングを楽しむ人もいる。ブッキング・ドットコムのロー氏によると、「『香港』といえば、高層ビルなどをイメージする人が多いかもしれないが、自然も多い。山だけでなく、海で楽しむ人がたくさんいる」とのこと。
香港政府観光局によると、2018年も渡航者は増えて、130万人以上を見込んでいる。“香港熱”は当分冷めそうもない。
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