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お客さんがついつい買いたくなる、「ノンクロージング話法」とは?説得ではなく、納得(4/4 ページ)

» 2018年08月13日 07時00分 公開
[井上敬一ITmedia]
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お客さんが最後に残る不安

 ここまでノンクロージング話法の戦略・戦術を伝えてきました。順番を守っていけば購入してくれる確率が高まりますが、それでも売れないときがあります。それは最後に残る不安があるからです。

 「本当にこの営業マンを信用していいのか?」

 この疑問が浮かぶと、どれだけいいものだと分かっていても、お客さんは購買をちゅうちょします。ここでの打ち手はテクニックではありません。あなたが仕事に賭ける想いを伝えてください。具体的には「なぜ今の仕事をしているのか」「誰のために、何のためにこの仕事をしているのか」ということです。この想いの質や本気さが相手の不安を打ち消すのです。

 例えば、単に営業職が好きだから保険屋さんで働いている営業マンより、「自分の父は町工場を営んでいたが、幼少のころに火災が起こり工場が全焼。父は何の保険にも入っておらず家族は苦しい生活に。私は父と同じような人間や自分みたいに苦しい生活をする人を増やしたくないので、いざというときに救いたいとい思いで保険業を仕事に選びました」と語れる営業マンのほうが信用できますよね。

 ここまでドラマチックではなくても、何かしらあなたにも仕事に対する想いがあるはずです。お客さんも最終的には、営業マンの人となりを知ることで不安が消え、ノンクロージングでも商品が売れていくのです。営業マンが唯一話していいのは、この仕事に賭ける想いだけなのです。

著者プロフィール:井上敬一

 立命館大学中退後、ホスト業界に飛び込み1カ月目から5年間連続ナンバーワンをキープし続ける。当時、関西最高記録となる1日1600万円の売り上げを達成。その後オーナー業を経て、現在は人に好かれるコミュニケーションを伝える研修・講演や、ホストクラブの接客術や人間関係の築き方を生かし、女性向けの恋愛の学校「恋愛・結婚アカデミー」を開講。数多くの悩める女性を恋愛や結婚の成功に導く。

 圧倒的な実績に裏付けられたコミュニケーションスキルをわかりやすく説く講演は、多くの企業・団体から支持を受けている。主な著書に『シークレット婚活塾』(SBクリエイティブ)、『わかってくれない上司をうならせる神フレーズ50』(パブラボ)など。


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