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» 2018年08月22日 07時30分 公開

自動で芯が出てくる:「1本3000円」のシャープペンをヒット商品にした、“近寄りがたさ” (4/4)

[加納由希絵,ITmedia]
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「かっこよさ」に反応した若者たち

photo 「オレンズネロをきっかけに、ブランディングを意識するようになった」と語る飯塚さん

 その「かっこよさ」に対して反応したのが、若い学生たちだった。1000円以上の文具が人気を集めているブームの追い風はあったものの、オレンズネロの価格も、黒一色のデザインも若者向けとは言い難い。それでも受け入れられたのは「シャープペンのメインユーザーである若者層に迎合しなかったからでは」と飯塚さんは見る。

 「近寄りがたい。分かりやすくないけど、すごい。だからかっこいい。そんなイメージが、『使ってみたい』という憧れにつながったと思います。『かっこいいものを持っている』というキラキラした気持ちは、若い人もおじさんも同じです」

 オレンズネロがヒットしても「迎合しない」という意識は変わらない。「黒以外の色や、一般的な0.5ミリの芯では出さないのか、という質問をよく受けますが、すぐにそれを出してしまうと、ブランドとしてぶれてしまう。シャープな書き心地を味わえる極細芯の使いやすさを、もっと知ってもらいたいです」

 オレンズネロの今後について、「もっとすごいもの、もっと面白いものを出して、息の長いブランドに育てていきたい」と意気込む飯塚さん。「すごい技術」を「すごい」で終わらせず、それを生み出した信念を徹底的に掘り起こしていったことが、幅広い支持につながったようだ。

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