カジノ運営権獲得に向け、海外企業が大阪でPR夏の陣熱視線(1/4 ページ)

» 2018年08月24日 06時00分 公開
[ロイター]
photo 8月22日、7月末のある夜、天神祭のフィナーレを飾る豪華な花火が、大阪の空を明るく染めた。今回初めて花火のスポンサーとなったのは、マカオのカジノ運営会社、メルコ・リゾーツ&エンターテインメント。写真はルーレットテーブル。都内で4日撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[大阪市 22日 ロイター] - 7月末のある夜、天神祭のフィナーレを飾る豪華な花火が、大阪の空を明るく染めた。今回初めて花火のスポンサーとなったのは、マカオのカジノ運営会社、メルコ・リゾーツ&エンターテインメント

この数時間前、41歳の大富豪、メルコのローレンス・ホー最高経営責任者(CEO)は、松井一郎・大阪府知事と面会していた。それに先立ち、同氏は自然災害対策のために大阪府に多額の寄付を行った。

MGMリゾーツ・インターナショナルのジェームス・ムーレンCEOも、大阪にいた。寄付は行わなかったが、チャーターした船に約100人を招待し、ブルーマングループのショーでもてなした。

同時期に行われたこうしたパーティーやイベントは、日本初のカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致を目指す大阪に、カジノ運営会社として存在をアピールする試みだ。この数日前、国会ではIR実施法が成立し、最初の設置場所として3カ所が選ばれることが決まった。

政治的な強い支援、施設に利用可能な土地の存在、地元企業の後押しに支えられ、人口270万人を抱える大阪市は、カジノを設置する日本初の大都市になるとみられている。

MGM幹部、エド・バワーズ氏は「東京は手を上げていないし、横浜も手を上げていない。大阪は手を上げた」と話す。

大阪でのカジノ運営受託を目指す外国企業は、この他にギャラクシー・エンターテインメント<0027.HK>、シーザーズ・エンターテインメント、ゲンティン・シンガポール、ラスベガス・サンズなどがある。

モルガン・スタンレーの試算によると、大阪でカジノを運営すれば、年間約40億ドルの売り上げを生み出すという。

経済規模や政治的な力で東京の後を追う大阪にとって、IRは観光産業を拡大させ、収益を増やす手段となりえる。大阪では、2024年までにIRをオープンさせたいとしているが、自治体が事業者を選定した後にも、政府の承認が必要となる。

松井大阪府知事は、ロイターのインタビューで「国が観光立国の目標を掲げるなか、大阪が観光客誘致のトップエリアになりたい。観光産業をしっかりと大阪の産業の柱の1つに育てていきたい」と述べた。

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