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» 2018年09月11日 08時35分 公開

スピン経済の歩き方:日本人が「ある程度の暴力は必要」と考える、根本的な原因 (5/7)

[窪田順生,ITmedia]

親の多くは、我が子に鉄拳制裁

 もちろん、どの国でも、どの民族でも多かれ少なかれ、暴力で人を教育・指導する人たちが存在したが、それを否定する人たちも多くいた。日本もご多分にもれず、「肯定派」と「否定派」が長いこと拮抗してきたのである。

 だが、日本が他国・他文化と比べて極めて特殊なのは、「否定派」であっても、腹の中で「暴力指導には効果がある」と信じている人が圧倒的に多いことだ。なぜ、そしていつから我々はこのようなダブルスタンダードにとらわれてしまったのか。

 それを読み解く鍵が、戦後間もない1949年8月、読売新聞の「世論調査」にある。「子供をしかる時に“なぐる”ことが良いかと思いますか 思いませんか」という質問に対して、81.9%の親が「悪いと思う」と回答をした。

 戦時下でゴリゴリの暴力指導が横行していた時代を終えて、多くの親たちが「暴力」を否定するのは非常に納得感のある話だが、驚くのは次の質問への回答である。

 「子どもをしかるとき“なぐる”ことがありますか」という質問に対しては、54.9%が「ある」と回答しているのだ。つまり、この時代の親の多くは、「分かっちゃいけるけど、やめられない」という感じで、我が子に鉄拳制裁を加えていたのだ。

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