LGBTを巡る論調が各方面から批判を浴びたため、新潮社が休刊を決めた月刊誌「新潮45」の10月号(9月18日発売)が、その話題性から売れているようだ。Twitter上では発売直後から「書店で売り切れていた」「どこにも在庫がない」「3軒目(の書店)でやっと買えた」――といった報告が相次いでいる。
また、「スポーツ報知」などの報道によると、25日夜に開かれた会見で、新潮社の広報担当役員は、10月号の売り上げの出足が良い点を認めたという。その一方で「(注目されるための)炎上商法ではないか?」との質問は否定したとしている。
同誌は8月号(7月18日発売)に自民党の杉田水脈(みお)議員が「LGBTは生産性がない」と主張する記事を掲載し、批判された。それに対する反論として、10月号には「そんなにおかしいか 『杉田水脈』論文」と題した企画を掲載したが、その内容も不適切だとして問題視されていた。
一連の批判を受け、新潮社は「ここ数年、部数低迷に直面し、(中略)企画の厳密な吟味や十分な原稿チェックがおろそかになっていたことは否めない」と編集体制の不備を認め、9月25日付で休刊していた。
ただ、話題性の高い商品が品薄になると、ネット上での転売が相次ぐ動きがこのほど顕著になっている。同誌の10月号も例に漏れず、本来の定価は880円(税込)だが、高値での取引が既に始まっている。
フリマアプリ「メルカリ」では、2500〜7000円程度の価格で30件ほど出品されており、うち10件ほどは売約済みだ。オークションサービス「ヤフオク!」にも24件が出品されており、7000円前後の即決価格が設定されている。
Amazon.co.jpには41件の出品があるが、5900〜9800円(いずれも配送料は除く)と、他社よりも高い価格がついている。
結果的に多くの注目を集めた「新潮45」。「どのような点が批判されているのか、実際に読んで確かめたい」といった動機ではなく、転売によって利益を得るために購入した人も一定数いるようだ。
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