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» 2018年10月03日 19時11分 公開

徳永社長が統合のワケを解説:「家電事業統合」控える日立、AIが“洗い方”決める洗濯機を発表 (1/2)

日立アプライアンスが会見を開催。日立コンシューマ・マーケティングとの家電事業統合の背景と目的を説明した。AIが洗い方を決める洗濯機も発表した。

[濱口翔太郎,ITmedia]

 家電・空調の設計・製造を手掛ける日立アプライアンスと、販売・サービスを手掛ける日立コンシューマ・マーケティングが2019年4月1日付で合併し、新会社となることが10月1日に発表された。商品企画・設計・製造・営業・アフターサービスといったバリューチェーンを統合することで、顧客の声をいち早く商品に反映する狙いがあるという。IoT(モノのインターネット)分野での商品開発も強化するとしている。

 「製販一体」の家電事業会社の設立は、業界でも珍しい取り組みだ。この件について日立アプライアンスが3日に都内で会見を開き、家電事業を統合した理由について改めて説明した。

photo 日立アプライアンスが発表した洗濯機「ヒートリサイクル 風アイロン ビッグドラム BD-NX120C」

家電事業統合のワケは

 日立アプライアンスの徳永俊昭社長はまず、「これまでの体制は(市場のニーズよりも、作り手側の計画を優先する)『プロダクトアウト』の手法をとる上では非常に機能していた。だが、顧客のライフスタイルが多様化したため、工場で統一的な製品を大量生産して売っていくだけではビジネスになりづらいと考えた」と統合の理由を説明。

 「今後は、顧客がどういう生活課題を抱えているかを把握し、それを生産サイドに伝えることで変化に即応できる事業体制に進化する」(徳永社長、以下同)と強調し、「製品だけでなく、顧客の課題を解決できるソリューションの提供にも注力したい」と、付加価値を伴った新規事業への意欲も見せた。

photo 日立アプライアンスの徳永俊昭社長

 “IoT家電”の開発を進める理由も、センサーなどを介して顧客のニーズや課題を把握するためだという。日立グループのIoT基盤「Lumada(ルマーダ)」を活用し、「家電をタッチポイントとして、生活者の消費行動などをクリアにし、どんなソリューションを提供できるか考えていきたい」という。

 ゆくゆくは、家全体や町全体をIoT化する「スマートホーム」「スマートシティー」関連の事業を始める計画もある。ソリューション事業の売上高・営業利益の目標値は非開示だが、今後の事業の柱として育てていく計画だ。

 ただ、新会社の商号や経営メンバーは未定。両社の拠点が近隣に位置している場所もあるが、「(拠点の)統廃合をすぐに進めることは考えていない」としている。

 徳永社長は「人材を集約することで、活気あふれる企業にする。従来にないアイデアで、(他社にはない)オンリーワンの機能を開発し、顧客の暮らしに新しい価値を提供していきたい」と期待を語った。

AIが“洗い方”決める洗濯機を発表

 新会社の設立に先駆け、日立アプライアンスは11月17日、IoTとAI(人工知能)に対応した“スマート洗濯機”3機種を発売する。いずれも、内部に搭載した複数のセンサーが、洗剤の種類、洗濯する対象の布質、汚れの量、水の硬度、洗濯中の布の動き方――といった情報を収集し、最適な洗い方を決める技術「AIお洗濯」を搭載している点が特徴だ。

 これにより、汚れが多い場合に時間を延長してしっかり洗ったり、汚れの落ち具合がよい場合に使用水量を減らして節約したりといった対応を自動で行うことが可能になる。ターゲット層は、家事をする時間が少ない共働き世帯や、体力低下が気になるシニアだ。

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