ブロックチェーン(分散型取引台帳)の開発を手掛ける米Chainalysisは、「クジラ」(仮想通貨を大量保有する投資家)がビットコイン市場に与える影響についての調査結果を発表した。一般的にクジラが取引を行うと市場のボラティリティを高めるとの不安が高まる傾向にあるが、実際には多くの人が懸念するほどの影響はないという。MarketWatchが報じた。
同調査ではビットコインを大量保有している32口座を中心に分析を実施。その結果、積極的に取引が行われていることが確認できた口座は全体の3分の1だけだった。
その取引内容を確認すると、ほとんどのクジラは購入したビットコインをすぐに売却せず長期間持ち続けるなど、市場に大きな影響を与えるほどの激しい取引はあまり行っていないことが分かった。
実際に、ビットコインを最も保有する口座の取引をみたところ、2018年2月以降に6回取引を行っているが、その全てがビットコインの購入だった。8月2日に1万ビットコインを大量購入しているが、その後も売却はしていない(10月10日時点)。
動きが確認できなかった口座については、仮想通貨マイナー(仮想通貨を生成する個人・企業)やアーリーアダプター(革新的なサービスや商品などの支持者)、犯罪者などが所有しているケースが多く、このような保有者はビットコイン価格の変動に関わらず、ビットコインの売買を頻繁に行うことはないという。
同社は「正体不明のクジラが依然多いことも事実ではあるが、多くの人が思っているほどクジラがビットコイン市場に与える影響は大きいものではない」とコメントしている。
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