400万DLの女性向けアプリを立ち上げた、新卒男性リーダーの成長若手がチームを率いた(3/4 ページ)

» 2018年10月15日 07時00分 公開
[加納由希絵ITmedia]

「自分にぴったり」のアプリになっていく

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 渡辺さんは「LUCRAは世界観を好きになってもらうのではなく、『便利で役立つから使う』アプリにすることを重視しています」と話す。そのための試行錯誤は、アプリをリリースした後も続いている。継続して使われないと収益にはつながらない。飽きられない工夫が必要となる。

 そのための武器の一つとなっているのが“パーソナライズ体験の提供”だ。LUCRAの記事配信ロジックでは、上位表示される記事が機械学習によって選別されていく。自分がよく読む記事と同じカテゴリーの記事や興味を持ちそうな記事が優先的に配信されるようになるのだ。使い込んでいけば、自分にぴったりのアプリに変わっていく。

 この機能は、ユーザーのニーズに合った情報を提供するという意味で、コンテンツの質を向上させることにもつながっている。

 「当初はファッションのカテゴリー内で、プチプラ(安価)ブランドとハイブランドの情報が並んで表示されていて、そこも女性目線では違和感がありました。でも、読まれない記事は表示されなくなっていくため、ハイブランドの記事は自然と出なくなっていきました」と渡辺さんは説明する。LUCRAのユーザーはプチプラを好む人が多く、そのニーズに合ったアプリへと変化している。

 また、より使いやすいアプリにするために、ユーザーへのインタビューも継続的に実施している。使い心地や不便な点などを聞き取るほか、実際にアプリを使っているところを観察して、スムーズに使いこなせていない部分を把握する。さらに、LUCRAを使っていない人にもインタビューし、普段のスマホの使い方やライフスタイルなどについて質問するという。女性のトレンドやライフスタイルを常に念頭に置き、改良につなげている。

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