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» 2018年10月30日 07時20分 公開

女性は年収より外見重視? マッチングアプリが解き明かす「恋愛の謎」男性にはちょっとシビアな現実(3/3 ページ)

[服部良祐ITmedia]
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AIが予測しきれない「人の心のもろさ」

 プロフィールに掲載された情報でしか互いを分からないアプリのシステムでは、強い第一印象を残す「容姿」の影響力が高いというのはある意味当然の結果だ。ただ、せっかくアプリ上で膨大な数の異性から相手を選べるのだから、必ずしも見た目だけでなく趣味や性格もマッチした恋人と出会えるのでは……という淡い期待を抱く人もいるのでは。

photo ダインでは登録レストランの中からデートで使いたい店を選ぶ仕組み。なぜか焼き肉店が人気(画像はMrk&Co提供)

 特にこうしたマッチングアプリの保有する膨大なユーザーのビッグデータは人工知能(AI)と相性が良い。どんなプロフィールの人同士がマッチングしやすいか、意外な組み合わせや法則をAIがアプリのデータから導き出せそうな気もする。恋愛でなく転職市場などでは既に求職者と企業のマッチングでAIが効果を発揮しつつある。

 上條さんによると、実は数年前にAIを活用したとうたったマッチングアプリがいくつか登場したが、いずれも振るわなかった。その理由は「人間の心理のもろさ」にあるという。上條さんが米国で実際に現地の女性に何人か男性を紹介して実験したことがあった。ある女性は30〜35歳の男性を希望したが、あえて40歳男性を紹介してみてもマッチしてしまったようなケースがあったという。

 「人は理想の条件でない異性にもOKを出すもの。人の心理は今までの基準や経験を飛び越えてしまう」(上條さん)。加えて、AIによるマッチングを行うには判断基準となる大量なデータが必要となるが、人同士の恋愛での相性を判断するための基準となる情報はあまりにも膨大で測定しきれず、アプリで登録されるプロフィールでは到底カバーしきれないという。「例えばデートの時のしゃべり方や貧乏ゆすり、箸の持ち方といったしぐさで幻滅する人もいる。ユーザーの行動を24時間記録してデータ化でもしない限り(AIに判断させるのは)難しい」(上條さん)。

 実はダインでも画像の顔認識技術などでAIを活用している。ただ「ユーザーの個人情報を入力して好みのタイプを1億人から選べるようなマッチングアプリはまだ先の話。『AIが好みの相手を決める』とうたったかつての(他社の)サービスはちょっと誇大に言い過ぎていたのかもしれない」(上條さん)。

 ちなみにダインはマッチしたユーザー同士のメッセージの応酬をできるだけ省き、日にち入力など簡単な操作で速やかにレストランでのデートが成立するよう仕向けるシステムにしている。ペアーズなどに比べ後発のアプリのため、人によっては煩雑に思えるデート前のやりとりを省略して差別化を図るのが狙いだ。上條さんは「データを使ってAIに相性を判断させるより、今は(アプリでマッチングした相手と)食事に行った方がきっと早い」と話す。

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