<過剰対策との見方も>
しかし、こうした対策の大規模化に疑問の声も上がっている。
第一生命の熊野氏は、今回の増税対策の結果、2.2兆円と過去の4分の1程度の負担に抑制でき、ポイント還元策などの追加対策が盛り込まれなくても「景気は腰折れしない」と分析。大規模に膨らむ対策メニューは「過剰対策になりかねない」とみている。
BNPパリバ証券・チーフエコノミストの河野龍太郎氏も「財源がないまま膨らんだ社会保障費の財源をねん出するため消費増税を行うのであり、ある程度の消費の落ち込みはやむを得ないはず」と指摘する。
そのうえで「あまり大きな対策を行うと、景気対策が止められなくなり、歳出が膨らんで、何のための増税だったか分からなくなる」と述べている。
増税に伴う負担軽減策によって、景気腰折れの回避を優先課題に掲げる政府・与党。他方で過大な負担軽減策を打ち出せば財政や社会保障制度の持続性に疑問符がつきかねないと、複数のエコノミストが指摘する。
将来不安が払拭されなければ、個人消費への「抑制効果」が働き続け、それが消費刺激策をさらに誘発するという悪循環に陥りかねないとみているためだ。
世論がどちらの見解に軍配を上げるのか、その動向によっては、今後の消費税対策検討の行方にも大きな影響を与えそうだ。
<消費増税の対策メニュー 負担軽減効果の試算>
(中川泉 編集:田巻一彦 )
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