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» 2018年11月28日 18時32分 公開

「パンドラの箱が……」:「ゲノム編集した双子」誕生か、中国で非難の嵐 (1/2)

遺伝子を改変する「ゲノム編集」技術を用いて初めて赤ちゃんを誕生させたと主張する中国の遺伝学者に対して、同国内で非難の声が高まっている。

[ロイター]
photo 11月28日、遺伝子を改変する「ゲノム編集」技術を用いて初めて赤ちゃんを誕生させたと主張する中国の遺伝学者、南方科技大学の賀建奎副教授(中央)に対して、同国内で非難の声が高まっている。深センで2016年8月撮影。提供写真(2018年 ロイター/China Stringer Network)

[北京/上海/香港 28日 ロイター] - 遺伝子を改変する「ゲノム編集」技術を用いて初めて赤ちゃんを誕生させたと主張する中国の遺伝学者に対して、同国内で非難の声が高まっている。

広東省深セン市にある南方科技大学の賀建奎副教授は、エイズウイルス(HIV)に感染しにくい体質に変えるために胚性遺伝子を編集し、双子の女児を今月誕生させたと主張。インターネット上に投稿された動画の中で、自身の研究成果を擁護している。

これに対し、約120人の科学者が、「CRISPR-Cas9」技術を用いてヒトの胚性遺伝子を編集するのは危険かつ不当であり、中国生物医学界の評判を傷つけるものだと強く批判する公開書簡を27日発表した。

「パンドラの箱が開けられた。手遅れになる前にそれを閉じる、かすかな希望がまだ残されているのかもしれない」。中国のニュースサイトに掲載された書簡のコピーにはそう書かれていた。

「この研究と呼ばれるもののために行われた生物医学倫理の審査は名ばかりで、直接人体実験を行うなど、狂気の沙汰としか言いようがない」と非難している。

復旦大学のYang Zhengang教授はロイターに対し、遺伝子編集は「非常に危険」なため、この書簡に署名したと語った。

中国遺伝学会と中国幹細胞研究学会は共同声明で、賀氏の研究は「個人的に」行われたもので、「安全面において、研究対象に多大なリスク」をもたらしており、「中国の規制と国際科学界のコンセンサスに強く反するものだ」と批判している。

「CRISPR-Cas9」技術は、遺伝子修正によって病気を治癒する希望を高める一方で、その安全面と倫理面については懸念も生じている。

賀氏の研究に倫理的承認を与えたとされる深セン和美婦児科医院は、「遺伝子編集された赤ちゃん」に関連する臨床試験に対するいかなる関与も否定した。

ネットに掲載された書式にあるサインは偽造された疑いがあり、「当院で関連する倫理委員会が開かれたことはない」と、同病院を経営する和美医療控股は声明を発表した。

香港大学で開催されているヒトゲノム編集に関する国際会議に出席した賀氏は28日、約700人の出席者を前に登壇し「とても誇りに思っている」と述べ、異議を唱える一部出席者に応えた。

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