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松屋と吉野家でこれだけ違う 「もうかる立地」の方程式とは?ネット上の「立地」も大事(4/6 ページ)

» 2018年12月04日 06時00分 公開
[三ツ井創太郎ITmedia]

来店頻度と競合性という視点

 さらに立地選定を考えていく上では、競合店の存在も重要になります。競合店がひしめく状況で同じような業態でビジネスを成功させるのは大変です。しかし、街中を見ていると皆さんこんな疑問を抱きませんか?

 「なぜコーヒーチェーンはあんなに近くに何店舗も出店できるのだろう?」

 「なぜコンビニは道を挟んで2軒もあるのに潰れないのだろう?」

 その答えには「来店頻度」が関係しています。

 ここで質問です。皆さんはおすし屋さんに月に何回行きますか? コーヒーチェーンには月に何回行きますか? コンビニには月に何回行きますか?

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 私の場合はだいたいこんな感じです。

 おすし屋さんには、仕事関係の会食などで月に1回程度行きます。一方で、最寄り駅のスターバックスコーヒーではカフェラテを平日ほぼ毎日買います。同様に、妻に頼まれた牛乳を買うために、最寄り駅のコンビニにも平日ほぼ毎日行きます。

 つまり、おすし屋さんよりコーヒーチェーンやコンビニの方が来店頻度が高いのです。同じ人が月に何回も利用するとも言い換えられます。

 同じ人が月に何度も利用する業態であれば、そのお店の商圏内の人口が少なくても(狭くても)売り上げを確保できます。つまり、来店頻度(購買頻度)が高い業態は近くに競合店があっても、ビジネスが成立しやすいのです(もちろん客単価なども考慮する必要があります)。

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