禁煙化で「ファミリー狙い」進める串カツ田中、うどんなど“お子さまメニュー”拡充へ「りんご揚げ」など大人向けも

» 2018年12月04日 14時17分 公開
[ITmedia]

 「串カツ田中」を運営する串カツ田中ホールディングス(HD)は12月4日、子ども向けのメニューや施策をさらに充実させると発表した。子ども向けのドリンクやうどんを発売するほか、健康に良いメニューの食べ合わせを解説するファミリー向けのビラを全席に配置し、食育をサポートする。串カツの新ネタ(食材)など、大人向けの新商品も拡充する。

photo 串カツ田中HDの公式Webサイト

禁煙化によって家族客が増加

 同社は家族連れの満足度向上、従業員の受動喫煙防止、新規顧客の獲得――などを進めるため、2018年6月1日にほぼ全店を全席禁煙化した。8月1日からは一部店舗で営業時間を大幅に変更し、土曜・日曜の開店時間を早めつつ、平日と休日の閉店時間を短縮している。

 これによって客層が変化し、会社員や男性グループが減った一方、ファミリー層が増加。全店売上高と客数の大幅な伸びにつながっている。ただ客単価は禁煙化前から微減しているため、子ども向けの商品などを拡充することでテコ入れを図る。

「こどもサワー」「お子様うどん」

 具体的には12月5日から、ドリンクの定番メニューに「こどもサワー」(税込313円、以下同)を追加する。ソフトドリンクに粉末状のラムネを入れると泡が出て、お酒を飲んでいるような感覚を楽しめるもので、「居酒屋での体験を楽しんでほしいという思いで導入する」としている。

photo 「こどもサワー」の詳細(=ニュースリリースより)

 12月5日〜2月28日に展開する冬季限定メニューでは、子ども向けの「お子様うどん」(313円)を販売する。子どもでも噛んだり飲み込んだりしやすいよう、あえて具を乗せず、通常よりも麺を少なくした商品だ。

ビラを配置して食育

 全席に配置するビラは「串カツでわかるたべもののはたらき」と題し、串カツのネタを栄養の働きごとに赤・黄・緑のグループに分類して解説したもの。卵や魚など「赤」は強い体を作る、イモ類など「黄」を食べると力が出る、レンコンなど「緑」は病気から守ってくれる――などと書かれており、親世代に健康的な食生活の送り方を教えるほか、子どもの好き嫌いをなくす狙いがある。健康食宅配サービスのファンデリー(東京都北区)が監修した。

ALTALT 「串カツでわかるたべもののはたらき」(=ニュースリリースより)

大人向け商品も拡充

 このほか、大人客向けの新商品も拡充する。ドリンク類は12月5日から、シロップ煮にした果実を入れた「まるかじりサワー(レモン・グレープフルーツ)」(各486円)、「田中の素」と呼ぶ“秘伝のシロップ”を入れた「田中の素サワー」(430円)、緑茶ハイよりも濃い味の「抹茶ハイ」(430円)、紅ショウガが入った「勇吉ハイボール」(430円)――の5商品を発売する。「勇吉」とは、串カツ田中HDの田中洋江副社長の祖父の名前だという。

 冬季限定メニューでは、串カツの新ネタとうどんの新商品を販売する。新ネタは、リンゴを串揚げにした「リンゴ」(129円)、同じくブリの切り身を揚げた「ブリ」(162円)の2種。前者は「そのままか、塩をかけてお召し上がりください」としている。

 油かすを使用した「かすうどん」の新しい味である「かすカレーうどん」(745円)も展開。「締めの一品として最適」という。

 また、従来は限られた店舗で販売していた「ガリ〆鯖」の販売店を全店に拡大する。シメサバとガリの相性が良く、顧客から好評を得たためという。

photo 「お子様うどん」(下から2番目)を含む冬季限定の新メニューの一例

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