2018年6月1日からほぼ全店を全席禁煙化した串カツ田中が、直営の既存店(開店から18カ月以上経過した店舗)における6〜8月の売上高や客数を発表した。
全面禁煙化から1カ月後には、来店した喫煙者が店内でたばこを吸えないため、近隣の路上で喫煙し、地域住民から苦情が出るといった問題があったが、業績面ではどのような変化があったのだろうか。
6月の客数は前年同月比で2.2%増、7月は4.1%増、8月は12.1%増と順調に増えた。売上高は、6月は2.9%減となったが、7月は1.9%増、8月は9.7%増となった。一方で課題となったのは客単価の落ち込みだ。6月は5%減、7月と8月はそれぞれ2.1%減となった。
客単価が落ちた原因は客層の変化によるものと同社は分析している。17年8月には会社員・男性グループが全体の28.0%を占めていたが、18年8月には21.3%にまで減少した。一方で伸びたのがファミリー層で、17年8月には15.5%だったのが26.7%にまで増加した。その他の「カップル・女性グループ」や「1人客」には大きな変化は見られなかった。
客層に大きな変化が出た理由は「全面禁煙化」を実施したこともあるが、営業時間を変更したことが大きな影響を与えたと同社は分析している。
串カツ田中は8月1日から、76店舗で営業時間を大幅に変更。土曜・日曜の開店時間を早めるとともに、平日と休日の閉店時間を短縮した。この施策によって、深夜まで利用していた会社員・男性グループが減り、昼食利用客が増加したという。
つまり、客単価が高い会社員・男性グループが減った一方、客単価の安いファミリー層が増えたが、全体としては客数増・売り上げ増につながったということだ。
串カツ田中は全国的な禁煙化の流れを受けて、ファミリー層の利用を増やそうとしているが、その狙い通りの結果が出たと言えそうだ。
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