AI時代に人間らしい働き方を再設計する「ジョブ・クラフティング」のすすめ
【開催期間】2026年1月27日(火)〜2月25日(水)
【視聴】無料
【視聴方法】こちらより事前登録
【概要】仕事の「やらされ感」を「やりがい」に変えるアプローチとして「ジョブ・クラフティング」が注目されています。AIが定型業務を代替する今日、人間は仕事の「意味」を再定義する力が問われています。高モチベーションな業務への集中にはAI活用による効率化も必須条件です。本講演では、職場のレジリエンスを専門とする研究者が、AI時代に従業員の意識と行動を変える実践論を解説します。
月ごとに上下はあるものの、日本の民間労働市場では、有効求人倍率が10年以上にわたり1倍を超え、求職者数より求人数の方が多い状態が続いています。コロナ禍で経済が停滞した時でさえ、1倍を下回ることはありませんでした。
慢性的な人手不足の中、雇用障害者数は過去最多を更新し、2025年には70万人に到達しました。外国人雇用者数も過去最多を更新しており、その規模は2025年10月末時点で257万人に上り、同年の障害者雇用の約3.7倍に達しています。
どちらも雇用者数が増え続けているのは共通していますが、背景には大きく異なる点があります。障害者雇用については、一定の要件を満たす企業には、法定雇用率以上の人数を雇う義務が課されています。
ところが、法定雇用率を達成しているのは対象企業の半分にも届いていません。少子化が進み、今後も人口が減ることが想定されるだけに、どんな企業にとっても労働力確保は重要な経営課題であるはずです。それなのに、障害者雇用が思うように進まないのはなぜなのでしょうか。
ワークスタイル研究家/しゅふJOB総研 研究顧問/4児の父・兼業主夫
愛知大学文学部卒業。雇用労働分野に20年以上携わり、人材サービス企業、業界専門誌『月刊人材ビジネス』他で事業責任者・経営企画・人事・広報部門等の役員・管理職を歴任。
所長として立ち上げた調査機関『しゅふJOB総研』では、仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層を中心にのべ5万人以上の声をレポート。
NHK「あさイチ」「クローズアップ現代」他メディア出演多数。
厚生労働省の「令和7年障害者雇用状況の集計結果」を見ると、2023年に64万人、2024年に67万人、2025年に70万人と、障害者雇用は数万人ペースで着実に増えてきています。ただ、その背景には法定雇用率の上昇という強制力が働いている影響も感じます。
ここ10年間でも2.0%→2.2%→2.3%→2.5%と引き上げられ、2026年7月からは2.7%になる予定です。
2025年の法定雇用率達成企業は46.0%にとどまります。法定雇用率未達成で100人超の企業は不足人数に応じて納付金が徴収されるにもかかわらず、過半数が雇用義務を果たせていない状況です。
一方、外国人雇用は義務が課されているわけではなく、高いニーズを背景に制度整備が進められています。厚生労働省の「外国人雇用届出状況まとめ」から直近3年の推移を見ると、2023年に204万人、2024年に230万人、2025年に257万人と、その増加幅は数十万人単位です。
日本の総人口のピークは、2008年前後。そこから減少が続く中、多くの企業は労働力確保のためにこれまで戦力化できていなかった人材層の雇用を増やしてきました。外国人雇用者も2008年時点では48万人でしたが、2025年には257万人にまで増加しました。17年間で約209万人増え、5倍以上に拡大しています。
また、総務省の「労働力調査」を見ると、2008〜2025年で女性の雇用者数は541万人、65歳以上のシニア層は389万人増加しています。それに対し、障害者雇用は32万人から70万人に倍増しているものの、増加は38万人と、増加幅は他の人材層と比べて小さいのが実情です。
障害者雇用は企業にとって戦力化という位置付けではなく、義務の範囲にとどまり、福祉的な側面が強いように感じます。法定雇用率を達成している企業が半数に満たない現状からも、その傾向はうかがえます。
しかしながら、多くの障害者が戦力として活躍している企業も決して少なくありません。チョークの製造販売などを手がける日本理化学工業(神奈川県川崎市)は、社員の約7割に障害があります。他にも電気機器を製造するオムロン太陽(大分県別府市)や、重度身体障害がある社員が全国各地で在宅勤務しているスタッフサービス・クラウドワーク(神奈川県相模原市)など、その業態もさまざまです。
サイボウズが2025年11月に国内の企業人事担当者1000人を対象に実施した調査によると、ITスキルを有している障害者の採用に前向きな姿勢を示した人事担当者は7割に上りました。障害の特性によって業務の向き不向きなどはあったとしても、職場環境や業務設計などを整えることで、障害者も、女性やシニア、外国人と同様に戦力となる可能性を秘めた人材層です。
しかしながら、厚生労働省の調査によると、法定雇用率が未達成の企業の57.3%が障害者を1人も雇用していません。積極的に障害者を戦力化してきている企業がある一方で、障害者の雇用実績がゼロで、最初の一歩すら踏み出せていない企業との二極化が見られるということです。
ひとくくりに障害といっても、身体・精神・知的などの種類があり、個々に特性も異なります。障害者雇用に踏み切れない企業の事情はさまざまだと思いますが、戦力化できる企業との厳然とした違いの一つは、障害特性に合わせたサポート体制の整備です。
障害者就業支援事業を展開するスタートラインが、2026年1月に障害者の支援業務従事者を対象に実施した調査では、8割以上が「やりがい」を感じているとした一方で「支援の限界を感じた経験がある」人は9割近くに上りました。
支援員でさえ難しさを感じている状況を踏まえると、障害者雇用未経験の企業が一歩を踏み出せないでいる状況にも致し方ない面もあるといえるでしょう。サポート体制が整わないまま障害者を雇用してしまえば、雇用された障害者側も企業側も双方がダメージを負う可能性もあります。
しかし、見方を変えれば、サポート体制さえ整えば、障害者が企業の戦力として活躍できる可能性は広がります。少子化が続き、今後さらなる人手不足の深刻化も想定される中で、女性やシニア層、外国人も含めた労働力確保策は必要であり、障害者の戦力化にも同様に目を向けることは、企業にとっても大きなメリットがあるはずです。
例えば、精神障害がある人の場合、高い実務能力や豊富な経験を有しているものの、その日の状態次第では出社が難しいといったケースがあります。そのため、納期が厳密に定められている職務は苦手かもしれませんが、事業企画の検討や業務マニュアルの作成といった、重要度が高く、納期は比較的融通がきく職務などで能力発揮しやすくなります。
あるいは、人と接したり交渉したりは苦手でも、業務だけに集中できる環境を整えることで、情報の入力やチェック、インターネットを使った調査などを、正確に素早く漏れなく実行し、無類の強みを発揮する人もいます。
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