企業のDX推進を支えるIT人材の不足が続く中、障害者雇用に対する企業の意識が変わりつつある。
障害者雇用を法定雇用率達成のための取り組みにとどめず、人材戦略として捉える動きが見られることが、サイボウズの調査で分かった。
IT・デジタル人材不足について「不足感がある」企業は74.0%。さらに、採用難易度については76.3%が「難しい」と感じていた。
一方で「ITスキルを持つ障害者」の採用に対しては、71.4%の企業が前向きな姿勢を示した。人材不足という現実的な課題が、企業の選択肢を広げている。
障害者が福祉施設内ではなく企業の現場で働く「施設外就労」についても関心が高く、62.1%が受け入れに前向きな姿勢を示した。
しかし、現在の制度では施設外就労が法定雇用率の算定対象とならないため、普及の妨げとなっている実態もうかがえる。法定雇用率の対象となった場合の受け入れ意向は60.3%となった。
また、ITスキルを持つ障害者が「施設外就労」を経て直接雇用に至るキャリアパスについては、63.2%が「魅力的な仕組み」と捉えている。
障害者が所属する就労支援事業所などへの業務委託に関心を示す企業は87.0%に上った。
さまざまな選択肢に前向きな姿勢が示されている一方、実際に障害者を採用する上では「業務指示などのコミュニケーション課題」(54.6%)、「職場環境の整備」(44.3%)、「業務の切り出し・マッチング」(40.5%)といった実務上の不安も挙がっており、企業側が抱えるハードルが明らかになった。
サイボウズは「施設外就労や業務委託といった柔軟な働き方への高い関心は、企業と障害者の関係を、従来の『雇用主と被雇用者』という枠組みを超え、『価値を共に創り出す共創パートナー』へと進化していく可能性を示している」とコメントした。
調査は、2025年11月18〜26日にオンラインで実施し、全国の企業人事・採用担当者1000人から回答を得た。
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