店のスタッフが手際よく生地をくるくる回す。しばらくすると、ソース、カツオ節、青のりがかかった「たこ焼き」ができあがり。外はカリッと、中はトロ〜リ――。
自宅でつくったことがない人にとってはついつい見入ってしまうかもしれないが、大阪生まれ・大阪育ちの記者は物心がついたころからくるくる回してきたので、それほど珍しい光景と感じない。でもでも。そんな人間でも、たこ焼きをつくっているところを食い入るように見てしまう店が登場した。このように書くと、「日本一上手な職人のワザを見たの?」と思われたかもしれないが、違う。人間の手さばきではなく、ロボットの動きに注目したのだ。
調理サービスロボットを開発しているコネクテッドロボティクスは、世界初のたこ焼きロボットを開発した。その名は「OctoChef(オクトシェフ)」。7月、長崎のハウステンボス内にオープンしたところ、多くの人がロボットの動きをじーっと見ているのだ。
アーム型の協同ロボットやAI(人工知能)による画像認識など、さまざまな技術を組み合わせることで、通常3〜4人で運営する店を1人で行えるようになったという。オクトシェフはどんなことができるのかというと、たこ焼き器への油引き、生地入れ、返し、焼き加減の調節、盛り付けなど。いまのところ完全無人化ではなく、タコなどの具材を載せる作業は人間が行う。
産業用のロボットといえば自動車をつくったり、重い荷物を運んだり、細かな部品を組み立てたり。そんなイメージが強いが、なぜコネクテッドロボティクスは「たこ焼き」に注目したのか。また、そのロボットは “プロの技”を超える日がやって来るのか。同社の沢登哲也社長に話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。
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