インタビュー
» 2018年09月05日 08時00分 公開

世界初「たこ焼きロボット」は、“プロ”を超えることができるのか水曜インタビュー劇場(くるくる公演)(4/7 ページ)

[土肥義則,ITmedia]

店舗出店にあたって、2つの「苦労」

土肥: 改良に改良を加えて、世界初の「たこ焼きロボット」が完成したわけですよね。18年7月に長崎のハウステンボス内に登場したわけですが、設置にあたって苦労はあったのでしょうか?

沢登: 大きく分けて2つありまして、1つは光。たこ焼きの焼き加減を認識するのに光がどのくらい当たっているのか、どのくらいあたっていないのかがポイントになるんですよね。工場の中で動かすのであれば、照明が一定の明かりを照らし続けるので問題はないのですが、ハウステンボスのような外の場合は違う。朝、昼、夜によって光の具合が違ってくるので、店舗では強めの光を当てることで、AIが焼き加減を認識できるようにしました。

 もう1つは、安全。オクトシェフは人を感知するセンサーなどを搭載することで、安全性を高めました。人にぶつかるようであれば、動きが止まる。ただ、店の中は狭い空間なので、人の動きを感知していたら止まってばかりになってしまう。このままだと“働かないロボット”になるので、人間に注意を促す設定にしました。「いまから○○をつかみにいくよ」といった感じで、声を出すようにしました。

土肥: クルマをつくる産業用のロボットはこれまで何度も事故を起こしていますよね。ロボットの可動域に、人間が入らないように柵を設けているところが多いわけですが、たこ焼き店ではロボットが声を出すようにしたわけですね。

沢登: 店舗では当社のスタッフが働いているので、ロボットがどのような動きをするのか把握しています。次はこのように動いて、その次はこのように動くといった感じで。このような人であれば大きな事故は起きにくいかと思うのですが、新しく働き始めた人は違いますよね。ロボットがどのような動きをするのか認識していないので、今後はそうした人でも理解できるような表現などを追加していかなければいけません。

土肥: 実際に店舗を出店して、想定と違ったことはありますか?

沢登: ロボットは1回当たりに、たこ焼きを96個(約16人分)つくることができるんです。スタート時は一気に焼いていたわけですが、それをすぐに売ることが難しかったんです。どういうことかというと今年の夏は猛暑日が続いたので、暑いときに熱いモノを食べたいと思う人は少ないですよね(涙)。とはいえ、ロボットがたこ焼きをつくるシーンは珍しいので、多くのお客さんが店の前で「まだ動かないの?」といった感じで、じーっと待っていることがありました。

 これではお客さんを楽しませることができない。というわけで、ちょっと焼いて、ロボットに動いてもらう、ちょっと焼いて、ロボットに動いてもらう。そのようなことを繰り返して、お客さんに喜んでいただきました。

土肥: どんどんさばくことよりも、見せることにチカラを入れたわけですね。

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