廃棄率を下げるには、お客の食べている状況をリアルタイムで「見える化」し、適切なタイミングですしをレーンに供給する必要がある。くら寿司では、98年に「製造管理システム」を導入。このシステムを進化させるだけでなく、さまざまなデータと組み合わせることで、予測精度を高めてきた。
まず、製造管理システムの説明をしよう。お客が入店した際、くら寿司では大人と子どもの人数を専用システムに入力する。また、お客の滞在時間を「入ったばかりのお客」「食べている最中の客」「食べ終わったお客」の3つで把握している。こうすることで、「これから食べようとする大人1人分のすし消費量」などが予測できる。
そして、この製造管理システムに「鮮度くんのICチップから得られるデータ」と「ビッグデータ」の2つの情報を組み合わせている。
くら寿司では、レーン上を流れる皿の上に「鮮度くん」と呼ばれる透明なふたをつけている。これは、ウイルスやつばが付着しないようにするためのものだが、もう1つ別の役割がある。ふたの上部にはICチップが入っており、レーン上にあるすしの種類と量が分かるようになっているのだ。また、くら寿司では過去の注文履歴や販売データなどを大量に蓄積している。
これらのデータを組み合わせることで、リアルタイムにレーンに流す皿数や製造するタイミングを管理指示する体制をつくりあげているのだ。
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回転すしの厨房はどうなっている? くら寿司で働く若きリーダーに見せてもらったCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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