ここまで解説した廃棄率低下の取り組みだけでなく、くら寿司では店舗の自動化を積極的に推進してきた。例えば、食べ終わったお皿をテーブルに備え付けられた穴に投入することで、レーンの下を流れる水に運ばれて洗い場まで移動する「水回収システム」を開発したり、厨房に「握りロボット」や「細巻きロボット」を導入したりしてきた。
広報担当者によると、こういったくら寿司の「自動化」の土台となる仕組みは2000年代にほぼ出来上がったという。人間の勘や経験に頼る店舗運営から徐々に自動化や合理化を進めることで、全国展開が可能になったというわけだ。実際、02年に関東初出店を果たしたり、09年に九州に初進出したりと、くら寿司は急激に運営エリアを拡大してきた。
そして、店舗運営における人手を調理に割けるようになったことで、すし以外のメニュー数を増やせるようになった。くら寿司の厨房には「オートフライヤー」や「ゆで麺機」などがずらりと並んでおり、従業員がマシンを操作すれば簡単に料理が提供できるようになっている。
現在、地方では倒産する回転すしチェーンが増えるなど、競争が激化している。自動化やIT化を進め、廃棄率や人件費を下げ、より豊富な品ぞろえを実現するチェーンが生き残るようになってきているのだ。
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回転すしの厨房はどうなっている? くら寿司で働く若きリーダーに見せてもらったCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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