読んだら報酬、中国ニュースアプリ赤字覚悟の拡大策565万円相当を稼いだ人も(3/3 ページ)

» 2018年12月12日 07時00分 公開
[ロイター]
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<ライバルも類似機能で対抗>

趣頭条という名前は中国語で「面白い見出し」を意味する。中小都市や農村地域をターゲットとしており、そのコンテンツは料理レシピからダンスのレッスン動画まで多岐にわたる。

同社のWangCFOは、いずれは月間ユーザー2億人を達成し、ライバルの中国ニュースアプリ大手「今日頭条」の月間ユーザー2億5000万人に迫りたいと話す。趣頭条の月間アクティブユーザー数は7月時点で4900万人だった。

中国バイトダンス傘下の今日頭条は先日、地方市場や小型スマートフォンのユーザーをターゲットとする軽量版アプリを発表。現金報酬を伴うゲーム機能も含まれており、趣頭条の脅威を深刻に受け止めている兆候だと見られている。

さらに、他の人を誘ってユーザー登録させた場合の支払額も1人当たり25元で、趣頭条の8元を上回っている。

複数のユーザーは、趣頭条のアプリを使う理由は主に現金報酬だと言うが、稼ぐことがだんだん難しくなっていると不満を漏らす。

北京郊外でパートタイム労働者として暮らすZhai Liyunさん(45)は、就寝前に「クリックベイト(刺激的な見出しや画像でクリックを誘う)」記事を読むようにしているが、友人の大半がすでにユーザー登録してしまったため、これまでに20元しか獲得していないという。

冒頭で紹介した清掃員のカイさんは、あまりにこのアプリを多用したせいで視力が落ち、体重も減ってしまったため、夫と娘の忠告を受け入れて、アプリの利用を減らしているという。

「夜眠れないと使うが、趣頭条のせいで眠れない訳ではない。最近は、このアプリをあまり気にしないよう努めている」とカイさんは語る。

(翻訳:エァクレーレン)

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