「5G」をめぐる米中戦争 ファーウェイ排除とソフトバンクが抱えるリスクマネーの達人(6/6 ページ)

» 2018年12月20日 05時30分 公開
[原彰宏マネーの達人]
マネーの達人
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 ソフトバンクつぶしなのか……。米国は、国内加入者数第4位の携帯電話事業者スプリント買収から、ソフトバンクを快く思っていないとのうわさもあります。

 サウジアラビアと一緒に始めた「ビジョン・ファンド」においても、ムハンマド皇太子の記者殺害疑惑があったところです。順調に事業拡大してきた孫正義氏に、まさに逆風が吹いている感じで、これらは全て偶然なのかと疑いたくなりますね。

 さらにソフトバンクは10月に、「モビリティAI革命」の名の下、トヨタ自動車と共同出資の会社「MONET Technologies(モネ テクノロジーズ)」を立ち上げることを発表しています。

 自動運転に「5G」の通信網は不可欠です。トヨタとの関係に影響はないのでしょうか。

 ソフトバンクのこれからがすごく心配になりますね。

photo ソフトバンクはトヨタ自動車と共同出資会社を設立(写真は2018年10月の記者会見)

ファーウェイと取引する日本企業はどうなる?

 ファーウェイやZTEと取引している日本企業はどうなるでしょう。株価下落は免れないでしょうし、米国との取引にも影響が出てきますので、方針転換が迫られるでしょう。中国が「メイド・イン・チャイナ2025」の旗を降ろさない限り、米国によるこういった攻撃はやむことはなさそうです。

 孟晩舟CFOの身柄がカナダから米国に引き渡されたら、何らかの司法取引が行われ、徹底的に中国企業への圧力が増すことも考えられます。

 習近平氏が国内で何処まで耐えられるのかもあり、中国事情にも目を光らせたほうがよさそうですね。

 やはり経済力が全てです。圧倒的な経済力を前に、米国と対抗するのは、並大抵のことではないですね。これからの中国の出方を見てみましょう。

 この問題は、まだまだ続きそうな感じがします。(原彰宏)

著者プロフィール:

原彰宏

株式会社アイウイッシュ 代表取締役

関西学院大学卒業。大阪府生。吉富製薬株式会社(現田辺三菱製薬株式会社)、JTB日本交通公社(現株式会社JTB)を経て独立。独学でCFP取得。現在独立系FPと して活動。異業種経験から、総合的に経済、企業をウォッチ、金融出身でないことを武器に「平易で」「わかりやすい」言葉で解説、をモットーにラジオ出演、 セミナーや相談業務、企業労組の顧問としての年金制度相談、組合員個別相談、個人の年金運用アドバイスなどを実施。個人投資家として、株式投資やFX投資を行っている。

<保有資格> 一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP


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