「5G」をめぐる米中戦争 ファーウェイ排除とソフトバンクが抱えるリスクマネーの達人(1/6 ページ)

» 2018年12月20日 05時30分 公開
[原彰宏マネーの達人]
マネーの達人

ファーウェイ・ショック

 中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)が、米国の対イラン制裁に違反した疑いでカナダのバンクーバーで同国当局に逮捕された。カナダ紙グローブ・アンド・メールが5日に報じた。米国に引き渡される可能性があるという……12月6日朝のロイター通信の記事です。

 逮捕容疑の詳細は分かりませんが、米国が経済制裁をしているイランに対して、ファーウェイ製スマートフォン等販売の取引をし、その決済金について、英国金融機関HSBC経由で、商取引とは分からないような金融取引を行い、そのことがHSBCから米国側に伝わったとされています。

 米国は、ファーウェイと中興通訊(ZTE)との取引を見直し、ファーウェイ通信網を使わないこととし、日本や欧州にも同様にファーウェイとZTE商品の政府調達を禁止するよう伝え、早速日本は米国に従うことを発表しました。

 日本政府調達において、中国通信機器大手のファーウェイとZTEの製品を各府省庁や自衛隊で使う情報通信機器から事実上、排除する方針を発表しました。

photo 米国を中心に、中国企業の通信機器を排除する動きが広がっている(写真提供:ゲッティイメージズ)

 ファーウェイは、1987年に任正非・現CEOによって設立された通信機器メーカーで、その事業内容は、通信機器、通信装置、ソリューション、通信基地局設備などの研究開発、中継局供給、ネットワーク構築となっています。

 世界170カ国で製品・サービスを手掛けていて、2017年12月期売上高は約10兆円。今年、世界でのスマホシェアは米アップルを抜いて、韓国のサムスンに次ぐ世界2位となっています。

 またファーウェイは通信基地局数世界第1位で、すでに66カ国の通信会社向けに約1万件の基地局を出荷しています。

 世界170カ国の内訳は、欧州やアフリカが多く、アジアや中東、南米にも拡大しています。

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