18年は投資家にとって不遇の年だった…… ほとんどの資産が運用実績不振、19年はどうなる? 仮想通貨だけじゃなかった

» 2018年12月27日 17時48分 公開
[中澤彩奈ITmedia]

 2018年は投資家にとっては不遇の年だったかもしれない。米CNBCがまとめたところによると、18年は株や米国債、社債に至るまで、ほとんどのアセットクラスがマイナス収益かほぼゼロに等しい年次実績となったようだ。

photo アセットクラス別収支表(=米CNBCより)

 08年に世界金融危機が起こった時でさえ、米国債や金は年次実績ではプラスの着地だ。15年はほとんどのアセットクラスが赤字となったが、それでも株や米国債は利益をねん出した。

photo ビットコインチャート(=CoinDeskより)

 仮想通貨市場もビットコインを筆頭にほとんどの主要仮想通貨が暴落した1年となった。18年初めは2万ドル近くだったビットコイン価格は、4000ドルを下回る水準まで値を下げている。多くの投資家は仮想通貨の今後について楽観的な見通しを立てられず、仮想通貨の時価総額は7000億ドルあまりも減少した。

19年も続く弱気相場

 だがこれは、さらなる暴落の序章に過ぎないかもしれない。

 CNNが報じたところによると、米大手金融機関Bank of Americaが注視している19の指標のうち14の指標が弱気相場であることを示しているとし、これは現在の混乱状態がまだまだ続くというサインかもしれないという。

 また、カナダ大手銀行Bank of Montrealで金利戦略部門責任者を務めるイアン・リンジェン氏も相場の下降傾向は19年も続くとみる。

 「18年は全てのアセットの運用実績がベンチマークを下回った。これは単純に、米国の連邦準備制度(Fed)が金利の引き上げとバランスシート縮小を実施することで金融引き締め政策を加速させたためだ。我々の見通しでは、Fedは19年もこの方針を維持するとみている。過去のデータを参照しても、(現在の弱気相場は)Fedが方針を転換させるほどのレベルではない」と指摘した。

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