2018年に乗ったクルマ トヨタの「責任」とスズキの「義務」池田直渡「週刊モータージャーナル」(5/5 ページ)

» 2018年12月31日 05時00分 公開
[池田直渡ITmedia]
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自動車の未来

 「クルマなんて移動の手段に過ぎない」という冷めた意見が増えつつある昨今、それでも自動車メーカー各社は、クルマに乗って楽しいことを追い続けている。人間には感性がある。だからただの道具だとしてもより使い心地が良く、楽しくなれそうなものを本能的に求めるのだと思う。

 例えば、歯ブラシ1本買うときだって、売り場の棚から無造作無作為に商品を取ったりはしない。冷静に考えれば、歯ブラシの違いで歯磨きの効果そのものは大して左右されないだろう。むしろ磨き方の方がより多くを支配するはずだ。それでも人は見比べて「より良い」道具を選ぼうとする。それが履き心地や着心地を意識させる靴やシャツならなおさら選び方は慎重になる。

 今後クルマがどんなに進歩しても、その本質は変わらないと筆者は思う。そして、そういう感性をすくい上げる領域に日本車がようやく到達したように思われる。「人に良かれ」。そういう日本車がどんどん増えることを願って本年の締めくくりとしたい。

 今年1年の連載にお付き合いいただいたことに感謝の辞を述べつつ、末筆ながら読者の皆様も良いお年を迎えられることを祈って筆をおきたい。

筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)

 1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。

 現在は編集プロダクション、グラニテを設立し、自動車評論家沢村慎太朗と森慶太による自動車メールマガジン「モータージャーナル」を運営中。

 →メールマガジン「モータージャーナル」


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