エコカー戦争の局面を変えたプロボックスハイブリッド池田直渡「週刊モータージャーナル」(4/4 ページ)

» 2019年02月04日 06時30分 公開
[池田直渡ITmedia]
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 ハイブリッドで350kg、それ以外で400kgの最大積載量にしては乗り心地は悪くない。もちろん「商用車の水準で」と但し書きが付く話だ。法律がどうであろうと過積載で走るユーザーは撲滅できないので、メーカーとしてはその状態でセッティングを見てあるはずだから、上等な仕上がりである。

 荷台のサイズは1810×1420×935mmで、みかん箱なら38個収納可。コンパネも平置きできる。何なら布団を敷いて寝られるサイズだ。

 もう1つ大事なことがある。今回からトヨタ・セーフティ・センスによるドライバーアシストが標準装備された。わざわざレスオプションにしない限り、レーザーレーダーと単眼カメラが搭載され、衝突を軽減する。特に昼間の歩行者検知が付加されたことは大きい。他にレーン逸脱警報や自動ハイビーム、イモビライザーなどが装備された。

トヨタセーフティーセンスによる運転支援システムが搭載された トヨタセーフティーセンスによる運転支援システムが搭載された

 ハイブリッドの燃費は、多分余裕で20km/L超えをするだろう。ハイブリッドの一番安いモデルで182万円、高いモデルでも197万円。1.3リッターエンジンモデルが137万〜148万円、1.5リッターエンジンモデルが155万〜185万円。

 「クルマは1台100万円くらい」というイメージのある人にとっては高いと思うかもしれないが、逆に言えばいまやミニマリズムに徹したこういうクルマでもそのくらいする時代になったのである。税制を考えると軽自動車は魅力かもしれないが、いっそこういうプロのレベルでコスパを追求したクルマを選ぶのもちょっと魅力的だと思う。

筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)

 1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。

 現在は編集プロダクション、グラニテを設立し、自動車評論家沢村慎太朗と森慶太による自動車メールマガジン「モータージャーナル」を運営中。

 →メールマガジン「モータージャーナル」


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