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働く人が“楽”になるために、僕はこんなことをしてきた通勤をなくす(3/6 ページ)

» 2019年02月22日 07時34分 公開
[倉貫義人ITmedia]
筆者の最新刊『管理ゼロで成果はあがる』(倉貫義人/技術評論社)

ステップ(4)テレビ会議を活用する

 チャットでの会話に慣れてきても、どうしても会って話をするほうがスムーズな内容もあります。そうした時は、チャットにこだわらずに口頭で話をするほうがいいのですが、その際に遠隔にいても活用できるのがテレビ会議です。

 私たちがまだ社内ベンチャーだったころに、一緒に働いていたメンバーに「仕事は続けながらも海外で働いてみたい」という思いがあったので、私たちは応援することにしました。そして彼は、運よくビザが取得できたアイルランドへ1年間旅立って行ってしまったのです。

 とはいえ、社内のコミュニケーションはすでにオンラインでもやりとりができていたし、お客さまとのやりとりもテレビ会議を活用することで何も支障ありませんでした。海外に出る前からずっとテレビ会議を試すようにしていたので、しばらくは海外にいることに気付かないお客さまもいたほどです。

 少し大変だったのは、時差でした。日本とアイルランドでは9時間の時差があるため、早朝から仕事を始めてもらうことで対応しました。それで終業が早くなり、午後からはプライベートでヨーロッパの旅を満喫できたようなので、結果オーライでした。

 テレビ会議も、始めたばかりのころは少し抵抗があったものです。少し照れくさいし、なんとなく「伝わらないんじゃないか」という不安もありましたが、すぐに慣れてしまいました。今では、会って話すのとなんら変わりありません。

ステップ(5)音声をつなぎっぱなしにする

 在宅勤務を始めると多くの組織で取り組むのが、テレビ会議を応用して「つなぎっぱなしにしてみる」というチャレンジです。

 2011年には社内ベンチャーを買い取る形で独立し、株式会社ソニックガーデンとして出発することになりました。それまでいた大きなビルから、外苑前にある小さな雑居ビルの1フロアに移転することになりました。

 独立したことで中途採用も開始しました。その時は、すでにアイルランドに1名いてノウハウもあったので、もはやどこでもいいだろうと、勤務地不問、つまりリモートワークの募集としました。

 そしてはじめての応募が、兵庫県西脇市からあったのです。採用して最初から在宅勤務というのは初のケースだったので、いくつか工夫をしました。そのうちの1つが「音声をつなぎっぱなしにする」というものです。オフィスにある1台のPCでテレビ会議を立ち上げたままにして、いつでも声をかけられるようにしたのです。声が聞こえることで存在感も感じられるようになりました。

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