元気寿司ではできたてのすしを提供できる体制が整ったことで、商品力も向上させようとしている。それは、あたたかいシャリにこだわることだ。法師人社長は常に温度計を持ち歩き、店舗で提供されたすしの温度を計測しているほどだ。回転レーンの上をすしがぐるぐると回っているうちに、シャリの温度はどんどん落ちる。しかし、つくりたてならあたたかいシャリを提供できる。ここが差別化のポイントになりうると考えているのだ。
法師人社長はコンビニや中食業界が商品力を向上させていることに危機感を抱いている。消費税増税が迫っているが、外食は基本的に10%、持ち帰りの食品は8%となる見込みだ。外食が中食の進化についていけなければ、お客を奪われてしまう。わざわざお店にいって食べる価値がある商品を提供するためにも、「できたて」という価値を磨こうとしている。
元気寿司の直近の業績は悪くない。18年3月期の売上高は399億9000万円(前期比14.5%増)、経常利益は17億4000万円(68.9%増)となっている。他の大手チェーンが回転すしのスタイルに磨きをかけるなかで、脱・回転路線に大きく舵を切った元気寿司の真価が問われるのはこれからだろう。
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