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コラム
» 2019年03月15日 08時00分 公開

社長は退くべき:大塚家具はどこへ行くのか (1/3)

父娘で繰り広げた委任状争奪戦から約3年半。久美子社長の「アンチフォーカス戦略」が大塚家具にもたらしたのは業績悪化と急速な資金繰りの悪化である。今回の矢継ぎ早の提携策には派手さはあっても根本的な経営立て直しにはつながらない。打つべき手は他にある。

[日沖博道,INSIGHT NOW!]
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日沖博道氏のプロフィール:

 パスファインダーズ社長。25年にわたる戦略・業務・ITコンサルティングの経験と実績を基に「空回りしない」業務改革/IT改革を支援。アビームコンサルティング、日本ユニシス、アーサー・D・リトル、松下電送出身。一橋大学経済学部卒。日本工業大学 専門職大学院(MOTコース)客員教授(2008年〜)。


 先日、大塚家具は日中間越境ECを手掛けるハイラインズ社などを対象に約38億円の第三者割当増資を実施し、さらに38億円の新株発行権を割り当て、合計74億円ほどの資本を調達すると発表した。昨年12月に業務提携を発表した中国の家具販売大手、イージーホームは今回の増資には加わらず(彼ら自身が上場目前なので、タイミング的に難しかった模様)、次のタイミングでの増資先になりそうだ。

 今回の増資は急減していた手持ち現金を補うことには貢献するが、根本的な戦略修正につながるかは疑問だ。テレビのインタビューに応じていた大塚久美子社長によると、この後イージーホームとの提携を強化し中国での販売に力を入れるようだ。

 確かに中国市場は魅力的だが、海外販売は大塚家具自身が前面に立って展開できるのかが不明だ。多少は大塚家具が企画・デザインする高級家具をイージーホームに売ってもらえるだろうが、そのボリュームは保証の限りではない。将来の大株主、イージーホームに首根っこを押さえられ、高級家具のデザインや売り方のノウハウを教えて終わり、という可能性も捨てきれない。ハイラインズとの提携により越境ECで売れる家具なんてたかがしれている。

 さらにこの増資と共に伝えられた同社の発表では、ヤマダ電機との業務提携も進めるそうだ。苦戦している国内市場向けにはむしろこちらが再建方策の中心のようだ。提携内容がまだ明らかになっていないので、それがどれほど有効なのかインパクトが大きいのかは全く分からない。

注)ヤマダ電機はこの数年、住宅(旧エスバイエルホーム)やリフォーム(ナカヤマ)、水回り(ハウステック)など住まい関連に注力してきた経緯がある。今回の提携はヤマダ電機側から見れば「ようやく駒がそろった」ということだろう。

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