ダイハツ、「ムーヴ」「タント」など157万台リコール 水漏れでブレーキが利きにくくなる恐れブレーキ不具合でも37万台

» 2019年04月12日 11時40分 公開
[ITmedia]

 ダイハツ工業は4月11日、フロントガラスとボンネットの間に設置する「カウルルーバー」に問題があるとして、「ムーヴ」「タント」など計6車種157万5379台のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。カウルルーバー部分の止水処理が不適切だったため、ブレーキ部品がぬれて錆が発生し、最悪の場合、ブレーキが利きにくくなる恐れがあるという。

photo ダイハツ工業の軽自動車「タント」

 対象車両の製造期間は2010年12月〜18年9月。ムーヴ、タントのほか、「ウェイク」「ハイゼットキャディー」、SUBARUにOEM供給している「ステラ」、トヨタ自動車にOEM供給している「ピクシス メガ」が対象となる。

 今回の不具合は、カウルルーバーとダッシュパネルをつなぐ部分の止水処理が不適切だったことが原因。それによって、雨水などがブレーキブースタに滴下することがある。そのため、ブレーキブースタに錆が発生し、そのままの状態で使用を続けると、最悪の場合、ブレーキブースタに穴が開いてしまう。そうすると、ブレーキペダルの操作力が増大し、制動距離が長くなる恐れがあるという。

 今後、全車両、カウルルーバーとダッシュパネルの合わせ部の止水シールを交換する。また、ブレーキブースタを点検し、錆が進行しているものは新品に交換。錆が進行していないものは、防錆処理を施す。

 これまでに30件の不具合があったが、事故は発生していないという。

photo リコールの対象箇所(出典:国土交通省

 また同日、ブレーキの自動調整機構の不具合でも、37万7654台のリコールを届け出た。対象車種はムーヴ、タント、「キャスト」「ムーヴキャンバス」、トヨタにOEM供給する「パッソ」「ルーミー/タンク」など計22車種。製造期間は16年11月〜17年6月。

 後輪ブレーキのシューとドラムの隙間を自動で調整する機構(ストラットセット)において、部品組立時のグリス塗布作業が不適切だった。そのため、アジャスタボルトのネジ面にグリスが塗布されていないものがあり、そのままの状態で使用を続けると、ネジ面が錆びて固着。自動調整機構が作動しなくなる恐れがあるという。

 対策としては、全車両、アジャスタボルトを点検し、固着しているものはストラットセットを交換。固着していないものはネジ面を清掃し、グリスを塗布する。

 これまでの不具合件数は386件。事故は発生していないという。

photo リコールの対象箇所(出典:国土交通省

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