東京都内から銭湯が消えつつある。東京都が発表する都内の公衆浴場(銭湯)の統計データを見ると、2005年に1025軒あった銭湯は17年には562軒にまで減少している。
その要因について「自家風呂保有者の増加に伴う公衆浴場利用者の減少などにより転廃業が続出し、著しく(銭湯が)減少してきている」(東京都)と分析。銭湯を「都民の健康と衛生を守る重要な施設」として位置付けてはいるものの、経営を続けるのは難しいようだ。
そんな中、都営地下鉄船堀駅(東京都江戸川区)近くにある銭湯「あけぼの湯」には、毎日客足が絶えない。多い時には平日に300人、休日には500人が訪れるという。なぜ銭湯不況の時代にもかかわらず、あけぼの湯には人が集まるのか。あけぼの湯の運営を担う嶋田照夫さんに話を聞いた。
あけぼの湯は江戸時代(創業1773年)から240年以上も続く老舗の銭湯だ。創業当時は交通の要だった江戸川区を流れる新川の川沿いで営業していたが、人の流れの移り変わりとともに1953年に現在の場所に引っ越してきた。
1階には大浴場や露天風呂、2階には岩盤泉やマッサージ風呂、牛乳風酵素風呂など計12種類ものお風呂がある。サウナも通常のものとスチームサウナの2種類があり、設備は非常に充実している。
「いろんな種類のお風呂を楽しめるだけではなくて、あけぼの湯では全てのお風呂に無色透明の天然温泉を使っています。都内で無色透明の天然温泉を楽しめる銭湯は、かなり珍しいと思いますよ」と、嶋田さんはあけぼの湯の魅力を語る。
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