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» 2019年05月28日 17時01分 公開

2分で測定:社員の「元気度」をPCカメラで判定――レッツノートに新サービス

[ITmedia]

 パナソニックは5月28日、同社製モバイルノートPC「Let'snote」(レッツノート)を使ったストレス推定サービス「きもちスキャン」を発表した。PCに内蔵されているフロントカメラの顔画像から、従業員の脈拍数を測定してストレスレベルを推定する仕組み。

「きもちスキャン」のデモ

 法人向けモバイルPC市場で高いシェアを持つパナソニックは、これまで働き方改革ソリューションの1つとして、PCの操作ログから業務内容を“見える化”し、長時間労働の抑制やテレワークの実働把握などができる「しごとコンパス」を提供してきた。今回発表されたきもちスキャンは、そのオプションサービスとして2019年7月にリリースされる。

 パナソニックコネクティッドソリューションズの中島功太郎氏(モバイルソリューションズ事業部営業企画部部長)は、残業時間の上限規制が罰則付きで導入されたことや、東京オリンピックによる首都圏の混雑緩和に向けた在宅勤務の導入が進んでいることなどを背景に労務管理の重要性が高まっていると説明。

パナソニックコネクティッドソリューションズ モバイルソリューションズ事業部営業企画部部長 中島功太郎氏

 「ただ、失敗しない働き方改革には、単に労働時間の短縮などを目的にするのではなく、会社の成長と社員の幸せを両立させる必要がある。社員一人一人に自発的な向上心が生まれる風土づくりは、自分の仕事を見える化し、課題や改善方法を自ら見つけてもらうこと」と話し、PCの稼働状況を可視化できる「しごとコンパス」をアピールした。

PCの操作状況やアプリケーション、ファイルの使用状況から、業務内容を可視化する「しごとコンパス」
勤怠システムと連動し、申告した勤務時間と実労働時間の差を把握する機能もあり、“隠れ残業”などの抑制に活用できる。同サービスは現在約1万3000台の端末で稼働しているという

 一方、きもちスキャンの詳細は同社の栂尾幸一郎氏(開発センター所長)が解説した。きもちスキャンは、同社独自の非接触バイタルセンシング技術を応用したもので、PCに内蔵されたカメラから光の反射で血管の収縮度合いを測り、その脈拍レベルから自律神経の活動量を推定して「こころと身体の元気度」(同社)を把握する。

きもちスキャンの仕組み

 測定したユーザーには現在の状態に対してアドバイスも提示される。測定にかかるのはおよそ2分。外光が激しく変化するような環境や日焼けの度合いによっては、測定に時間がかかったり精度が落ちたりする可能性はあるものの、同社で試した限りでは問題なく機能しているという。また、管理者用の画面も用意されており、部門全体のストレスを把握するヒントにもなる。

個人ユーザー用の画面と管理用の画面がある

 非接触バイタルセンシング技術を応用したストレス推定は、内蔵カメラのチューニングが必要になるため、きもちスキャンを利用できるのは同日発表された14型の「CF-LV8」シリーズと12.1型「CF-SV8」シリーズのみ。ただし、「今後はXZシリーズやRZシリーズにも展開する予定」(中島氏)とのことだ。参考価格は前者が24万5000円から、後者が23万2800円から(ともに税別)。

Let'snote新モデル

 なお、日本疲労学会理事の小泉淳一工学博士によれば、自律神経の活動量から疲労度を推計する仕組みは、接触型(心電測定による心拍変動解析)では既に存在するが、非接触型では今回が初めてという。

小泉氏による自律神経活動レベルからストレスを推定する実例。日本疲労学会では、疲労を「過度の肉体的および精神的活動または疾病によって生じた独特の不快感」「休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態」と定義し、中枢自律神経線維網(免疫系、内分泌系、自律神経系)の調整で対応しきれない(または過剰に対応している)状態を指す。そこで自律神経(交感神経と副交感神経)の活動量から定量的な疲労を判断できるとしている

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