東京都はこのほど、都内の公衆浴場における大人(12歳以上)の入浴料金を現行の460円から470円に引き上げると発表した。消費税率引き上げに合わせて、10月1日に実施する。改定は、10円の引き上げを実施した2014年7月以来、約5年ぶりとなる。
一般に「銭湯」と呼ばれる公衆浴場の入浴料金は、都道府県知事が「統制額」として決定している。
5月31日に開かれた東京都公衆浴場対策協議会で、統制額の改定について報告された。今後、都知事による決定、告示の手続きを経て、施行される。6歳以上12歳未満の料金は180円、6歳未満の料金は80円で、それぞれ据え置きとなる。
都内の公衆浴場数は、4月末時点で537軒。戦後最多だったのは1968年の2687軒で、現在はピーク時の2割にまで減少している。
協議会の報告書によると、公衆浴場において負担が重いガス料金などの燃料費や光熱費に加えて、備品や消耗品なども値上がりしていることから、銭湯の経営環境は厳しくなっている。一方、今後も物価の上昇が見込まれることから、入浴料金の引き上げが家計に与える影響が大きいことも指摘している。そのような状況を総合的に検討した結果、「改定はやむを得ない」とし、消費税率引き上げに伴う相当額を反映させることにしたという。
そのため、消費税率引き上げが延期された場合は改定時期も延ばす。増税が本年度内であれば、その時期に合わせる。20年度以降になった場合はあらためて検討する。
また協議会では、サービス向上や利用者獲得に向けた取り組みについても言及。近年、映画やテレビドラマなどで銭湯が頻繁に取り上げられ、関心が寄せられていることから、「業界全体に大きな追い風が吹いている」と指摘。創意工夫によって利用者拡大を図り、銭湯の活性化を目指すことを促している。
公衆浴場組合は、20年の東京五輪・パラリンピックに向けて、銭湯を舞台にしたアートイベントを準備するなど、銭湯文化を海外にPRする取り組みも進めている。
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