会社の数字〜注目企業を徹底分析〜

伸びる「終活」 年平均26%成長の鎌倉新書のヒミツとは葬儀市場の追い風(1/3 ページ)

» 2019年06月18日 07時05分 公開
[斎藤健二ITmedia]

令和時代に稼ぐ企業はここが違う:

 「売り上げが急速に増えている」「同業他社と比べ利益率が高い」「新事業が好調」――平成から令和に突入する中で、時代の変化に対応できそうな企業の強さの秘密を決算書の数字やビジネスモデルを踏まえながら迫る。


 鎌倉新書は、葬儀や仏壇、お墓といった分野でWebサービスを展開し、売り上げをこの2年で約2倍に伸ばしている企業だ。主力事業である「いいお墓」では、お墓を探すユーザーと霊園や墓地運営者をマッチングする事業を運営。2018年1月期の売り上げは前年比28%増、19年1月期は同46%増と、急速に拡大している。直近5年の年平均成長率は26%に上る。

 同社は主力事業を「ライフエンディング領域」と呼び、周辺領域をさらに強化していく計画だ。どのような市場環境はどうなっていて、今後の展開はどう考えているのか。清水祐孝社長に聞いた。

鎌倉新書の清水祐孝社長

Web事業が52%の伸び

 鎌倉新書の創業事業は葬儀市場向けの出版だ。現在も月刊誌『月間仏事』や葬儀関係書籍などを発行している。こうした葬儀市場とのコネクションから、2000年に葬儀に関する総合情報サイト「いい葬儀」をスタート。03年には霊園・墓地・お墓探しの総合情報サイト「いいお墓」と仏壇と仏壇店探しに関する総合情報サイト「いい仏壇」を開始した。

 この3つの総合情報サイトは、14年の「Yahoo!エンディング」へのサービス提供などを経て躍進。現在、売り上げの9割以上を稼ぐ。

 成長力も圧巻だ。17年1月期の売り上げは昨対比27%増加し、18年1月期にはさらに33%増加。19年1月期には52%増と伸びが加速している。

Webサービス売り上げは2年で倍増。高成長が継続している
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