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» 2019年06月18日 07時05分 公開

葬儀市場の追い風:伸びる「終活」 年平均26%成長の鎌倉新書のヒミツとは (2/3)

[斎藤健二,ITmedia]

都市化、ネット利用者の拡大、高齢者比率増大 さまざまなトレンドが追い風

 「いい葬儀」「いいお墓」「いい仏壇」はそれぞれ、利用者と業者を結びつけるマーケットプレイス型のビジネスだ。「業者側も、利用者を抽出するような広告が打ちにくい。利用者を見つけるのにコストがかかる」と清水社長は説明する。

鎌倉新書のビジネスモデル(=鎌倉新書資料より)

 背景には、葬儀業界特有の事情がある。遠方の葬儀に出席したことがあれば、自分の地元の葬儀とさまざまな点が異なっていることを実感しただろう。「(葬儀方法は)地域によって異なるため、地域密着の会社がたくさんある」(清水社長)

 そんな地域密着型だった葬儀市場に変化が起きている。長期トレンドが続く都市化だ。3大都市圏の人口比率は90年台の50%から20年には53%まで上昇すると見込まれている。さらに50年には56%まで達する。都市化によって、生まれ育った地元で葬儀を行うのではなく、都会で行うようになってきた。

 「育ったのは田舎でも、大学を卒業して東京に来た。そういう人が東京でマンションを買って、お亡くなりになる。そのときに、お寺との付き合いもなければ葬儀社も知らない。(鎌倉新書のサービスは)そういう人を対象にしている」

過疎化地域は増加し、都市部比率が増加する長期トレンドが、葬儀社をネットで調べるというユーザーの増加につながっている(=鎌倉新書資料より)

 インターネットに慣れた年代が、徐々に葬儀に関わるようになってきているという点も追い風だ。「いいお墓」の利用者は40代がピークで、続く50代と60代がボリュームゾーン。この年代のインターネット利用率が年々上昇しているのだ。

「いいお墓」の利用者ボリュームゾーンのインターネット利用率は年々拡大。60代の利用率は15年で3倍になった(=鎌倉新書資料より)

 さらに、高齢者比率の上昇という長期トレンドもある。

 「これからは高齢者比率が上がっていく。死亡者の数も2%くらいづつ増えていく。現在毎年136万人が亡くなっているが、170万人くらいまで増加するので、事業機会は増えていくだろう」(清水社長)

死亡者数の将来推計。厚生労働省の推計によると、2019年は出生が92万人の一方で、死亡は136万人。今後高齢化比率の増大にともない年間死亡者数は170万人程度まで増加が見込まれる(=鎌倉新書資料より)

 全国にある葬儀会館の数は1万カ所程度と言われる。同社はすでに、6000カ所程度をカバーしている。「もともと出版社として、葬儀マーケットに向けて情報誌を出していた」(清水社長)ことが、中小のファミリービジネスである葬儀社とのコネクションにつながった。ここが他社と比べて優位性にもなっている。

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