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» 2019年07月02日 16時00分 公開

富士山にもキャッシュレス化の波 入山料支払いを促進へ (2/3)

[斎藤健二,ITmedia]

リクルートのAirペイを導入

 キャッシュレス決済システムとして導入したのは、リクルートのAirレジとAirペイだ。AirレジはiPadにインストールして使う無料のPOSシステム。Airペイと連携して利用することで、各種キャッシュレス方式の決済が可能になる。

 Airペイは、各種クレジットカードのほか電子マネー、QR決済など26種類に対応する(富士山ではクレジットカード、電子マネー、一部のQR決済に対応)。2017年に検討を始め、18年の夏に検証実験を行い、「多様な決済に対応していることを評価した」(土屋氏)ことから導入に至った。

Airレジが置かれた様子。現在のところ決済だけに使用され、CRM的な使い方はこれからだという

 5合目の管理センターでは、案内された登山客がキャッシュレスで入山料を支払う姿が見られた。現金かそれ以外かを聞き、現金の場合は受け取って完了。カードやQR支払いの場合は、AirレジとAirペイを使って決済を行う。富士山5合目はWiFiもあり、携帯の電波もしっかりと届く。スムーズに決済が行われていた。

 ノルウェーとスイスから来たという二人組は、「ノルウェーではほとんどキャッシュレスです。サイフも細くて小さいものを使っています」と、キャッシュレス対応に満足していた。

あいにくの天候となった7月1日の富士山5合目(山梨県側)

山小屋ではキャッシュレス売上が3倍に

 5合目の駐車場から歩いて約30分。標高2230メートルにある山小屋、佐藤小屋もキャッシュレスを導入した店舗の一つだ。18年の7月に導入し、徐々にキャッシュレス利用が増えてきた。

富士山5合目にある佐藤小屋

 月間約1000人の利用者のうち、4割が外国人観光客だ。「外国人はもう7割近くがキャッシュレスで支払っている」と店主は話す。認知の高まりか、キャッシュレス決済の売り上げは昨年の3倍に増加しているという。

 ただし、オペレーション上の課題もある。店主とその息子はスムーズにキャッシュレス決済に対応できるが、全従業員が対応できるわけではない。また、食事代金やドリンク代など少額の決済については、利用者側も店舗側もキャッシュレスに抵抗感がある様子だった。

 富士山にある8軒の山小屋のうち、6軒が同様にキャッシュレス決済を導入している。増える外国人観光客への対応、また日本人であっても登山のようなアウトドアではできるだけ現金を持ち歩きたくないというニーズは高い。富士山に続き、アウトドア環境でのキャッシュレス対応の進展が望まれる。

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